親しい人とのお金のトラブルは本当の人間性や、価値観の違いが浮き彫りになるもの。
筆者の友人A子が実際に体験した、ママ友だからこそ気をつけたいお金のトラブル。
「お金の切れ目が縁の切れ目」を実感したエピソードをご紹介します。

「お宅のピアノ教室に通わせたい」がすべての始まり

私は自宅でピアノ教室を開いており、キャリアは十年目になります。

ある日、一番末の子が通っていた幼稚園で知り合ったママ友S美さんに
「ぜひ娘にピアノを教えてほしい」「A子さんなら安心だし、娘も喜ぶわ!」
と熱心にお願いされ、レッスンを引き受けることにしたのですが、これがトラブルの始まりでした。

月謝の滞納グセが!

親子ともにピアノに熱心でしばらく問題なく通っていたのですが、次第にS美さんの「ルーズな一面」が目立つようになります。月謝の支払いを、たびたび忘れるようになったのです。

最初は「ごめん忘れてた、払います~!」と明るく謝っていたS美さん。しかし、次第に延滞し続けるように。

幼稚園で毎日顔を合わせるママ友でもあるがゆえに、「角を立てたくない」という思いから、なかなか強く催促できずにいました。

しびれを切らせて督促すると驚きの反応が!?

ついに未払いが3ヶ月分に達した時、A子は意を決して声をかけました。
「S美さん、ここまで未払いが続くと、教室の運営としても非常に困ります。今月中に精算をお願いできますか?」
申し訳なさそうな顔をするかと思いきや、S美さんは謝るでもなく、驚きの返答が。

「でもさ、うちの子、通ってるわりにまったく全然上手にならないじゃない? 月謝が7千円ってちょっと高すぎないかしら。お友達価格で少し安くしてよ。そうすれば、滞納分も払いやすいし」

S美さんのお子さんは確かにピアノの上達がゆっくりでした。
しかしそれは宿題を一度も練習してこないから。指導者として誠実に接してきたつもりだったので、それはプロの仕事を否定されるに等しい、屈辱的な言葉でした。