いついかなるときも親は子どもの味方です。では、子どものトラブルで親同士がぶつかったらどうなるのでしょう……。筆者の知人Aさんは子どものトラブルを通じて、親同士の話し合いがうまくいくはずがないという結論に達したそうです。その理由とはいったいどのようなものだったのでしょうか、早速みていきましょう。

ほんと? うちの子が暴言を吐いた

Aさんは小学4年生の息子Dくんを育てる母です。ある日、仕事から帰ってくると携帯に見知らぬ番号から電話がかかってきました。電話はDくんの同級生の母親からでした。

「今日うちの息子がDくんに暴言を吐かれました。謝罪してください」

かなり怒っている様子で告げられたいきなりの謝罪要求に驚いたAさん。ですが、Dくんから話を聞かないことには対応しようがありません。相手は今すぐ謝罪をと息巻いていましたが、息子に事情を聞いて対応すると言い電話を切りました。

何が真実? 息子の証言「ぼく言ってない!」

その後、すぐにDくんに話を聞いたAさん。しかしDくんは「ぼく、そんなこと言ってない!」と言います。Dくんを信じたい気持ちのあったAさんでしたが、相手の親の剣幕から我が子は何かを言ってしまったに違いないと考えしつこく聞いてしまいました。

しかし、Dくんは言っていないと言うし、Aさんも我が子はそんなことを言わないと感じます。そしてそのことを相手の母親に電話で伝えました。

案の定、相手は激怒し「子どもは嘘をつくもの。きちんと謝罪させるのが親として当たり前です。このまま謝罪がなければ訴えますからね!」と言い、今から家を訪ねるとすごい勢い。

第三者介入! 先生立ち会いで話し合い

Aさんは冷静になって話し合うことを提案。学校で先生立ち会いの下、話し合いをすることになりました。

翌日の放課後、先生が子どもたちから上手に話を聞き出してくれた結果、Dくんは暴言を吐いておらず、同級生の全くの嘘だったことが発覚。最初は適当な嘘で冗談のつもりだったが、自身の母親がヒートアップし本当のことを言い出せなくなってしまったのだとか。

相手方からは謝罪があり話し合いは終わりましたが、Aさんは単純に相手を責める気持ちにはなれませんでした。

親は子どもの味方をするもの

もし立場が逆で、自分の息子が暴言を吐かれていたと思い込んでいたらどうだったでしょうか?

誰だって親は自分の子どもの味方をするものだし、子どもを守るために行動して当然です。大切なのはそのことを忘れないでいることでしょう。

しかし、子ども関係の問題には、このように冷静さを欠いてしまいやすい落とし穴があると思っています。
そうなってしまった場合も、できれば一度心を落ち着けて、必要であれば第三者を挟んでの話し合いをするなどの適切な対処をできるようにしておかねばとAさんはこの件以降心に刻んでいるそうです。

【体験者:40代・女性主婦、回答時期:2024年11月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:安藤こげ茶
自身も離婚を経験しており、夫婦トラブルなどのネタは豊富。3児のママとして、子育てに奮闘しながらもネタ探しのためにインタビューをする日々。元銀行員の経験を活かして、金融記事を執筆することも。