フレンドリーな配達員さん
数年前、前の家に住んでいたころの出来事です。
私は通販のヘビーユーザーで、自宅には毎日のように荷物が届きます。
エリア担当者なのでしょう、いつも同じ配達員の方(Bさん)が届けてくれていました。
とてもフレンドリーな方だったので、「寒いですね」「今日もありがとうございます」など、少しですが会話を交わすことが多かったです。
明るくて、感じの良い方ではあるのですが、それゆえに起きてしまったトラブルを、今回お話しようと思います。
プライバシーに無頓着
担当のエリアだけあって、近所を歩いていると、配達中のBさんによく声をかけられました。
その際は「大城さん、こんにちはー!」というように、必ず私の名前もセットにし、大きな声で挨拶をされるのです。
本来であれば嬉しいことなのですが、当時、本名と異なる名前で活動していたため、誰が聞いているともわからない場所で、大声で本名を呼ばれたくはありませんでした。
愛想笑いをしながら挨拶を返すものの、本心では、これだけはやめてほしいんだよな、と思っていました。
本名も、同棲もバラされてしまう……涙
ある日のこと、近所に住む仕事関係の知人と、家の近くでばったり会い、立ち話をしていました。
するとそこに、Bさんが現れて「大城さーん!」と、手をぶんぶん振りながら近づいてきたのです。
そして「お仕事帰りですか? 今日もお荷物がありまして。指定時間よりちょっと早かったんですが、試しにお邪魔してみたら〇〇さん(同棲中の彼の名前)がご在宅だったので渡しておきましたよ!」
笑顔で報告してくれるBさんに、私は苦笑いを浮かべながら「あ、ありがとうございます……」としか言えませんでした。
実は同棲している彼のことも、周りには伏せていた私。同業だったので、お互い仕事がやりづらくなってしまうからです。
家の最寄り駅エリア内では、絶対に二人で並んで歩かないほど徹底して隠していたのですが──。
配達会社へ連絡
時すでに遅し。
「え! 大城さんって本名ですか!? というか、〇〇さんがご在宅って、〇〇さんと付き合っているんですか!?」
知人はなんだか興奮したように、私に聞いてきました。
この方はかなりおしゃべりなので、私たちのことはまたたく間に噂になってしまうことでしょう。もう仕方ありません。
悪気はないのでしょうが、さすがにこちらのプライバシーを考えてくれないあまりの配慮のなさには困ってしまいます。いい方なので申し訳ないと思いながらも、その旨は会社に連絡しました。
その後
配達会社からは、Bさんの配達エリアを変えると言われ、それから彼に会うことはなくなりました。
もしかしたら、会社にではなく本人に直接言えば良かったのかもしれません。
悪い人ではなかっただけに、なんだかクレームを入れたことに罪悪感のようなものを感じたのですが、やはり個人情報を扱う仕事なのであれば、その自覚はもってほしかったなと思います。
【体験者:30代・女性自営業、回答時期:2024年11月】
※本記事は、執筆ライターが体験した実話です。個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。