そこで働くA子に、知られざる現場でのエピソードを聞きました。
ネット注文時代、それでもホームセンターに来てくれるお客様に感謝
今やネット注文が当たり前の時代、家にいながら何でも手に入るのは確かに便利です。
しかし、私が働くホームセンターには、やっぱり「実物を見て選びたい」という方も少なくありません。
「わざわざ来てくださるお客様がいることに、本当に感謝だな」と日々感じています。
災害時の買い占め問題
ただし、ちょっとした悩みがいくつかあります。
その1つが、台風の前など災害が発生しそうなときの防災用品の「買い占め」。
ホームセンターは防災用品が豊富であるため、災害の情報が出ると「備えに!」と多くのお客様が来られます。
ただ、一部の方が必要以上に買い込むことで、後から来た方に商品が足りなくなることも。
地域全体で備えるために、皆さんにも譲り合う気持ちを少し持っていただけたら、と心から願っています。
「あれ? お客様がいない!?」かくれんぼのような毎日
もう1つ悩ましいのが、店内でお客様をお待たせする場面が少なくないことです。
ある日、工具コーナーで「電動ドリルありますか?」と聞かれて奥に探しに行ったときの話。
戻ってみると、お客様の姿はなく、別の棚にいるのかと店内をぐるぐると探し回ることに。
ようやく見つけた場所が、まさかのペット用品コーナー。
しかも手にしているのは、ワンちゃん用の服!
お互いに顔を合わせ、「ごめんなさい! つい見たくなっちゃって」とお客様が笑顔で答えてくれると、こちらも思わず笑ってしまうのです。
このように、探して探してようやくお客様にたどり着く場面は日常茶飯事。
人手不足もあり、こうした「かくれんぼ」のようなやり取りが店内ではよく起こります。
ホームセンターを便利に活用するちょっとしたコツ
災害対策としては、日ごろから必要な物を少しずつ備えておくと、急な買い物に走らずに安心です。
また、ホームセンターでは、スタッフがすべての商品知識を把握しているわけではなく、在庫確認や使い方に少しお時間をいただくことがあります。
商品の場所や在庫の確認をご依頼の場合は、その場で少しお待ちいただけるとスムーズな場合が多いです。
A子は、この仕事にやりがいを感じているからこそ、日々の接客を通じて学び、お客様にとって頼れる存在でいたいと話しています。
【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yumeko.N
元大学職員のコラムニスト。専業主婦として家事と子育てに奮闘。その傍ら、ママ友や同僚からの聞き取り・紹介を中心にインタビューを行う。特に子育てに関する記事、教育機関での経験を通じた子供の成長に関わる親子・家庭環境のテーマを得意とし、同ジャンルのフィールドワークを通じて記事を執筆。