毎晩、駅のベンチで寝ているスーツ姿の男性
これは私が数年前に、数駅先のショッピングモールでフルタイムのパートをしていた時の話です。毎日電車でパート先まで通勤し、仕事帰りはいつも大体19時くらいには最寄駅に着いていました。
電車から最寄駅のホームに降りると、決まって思うのは「あの人、今日もここにいる」。その頃私は、毎晩最寄駅で見かける、ある男性のことが気になっていました。
その人はスーツ姿の40代くらいの男性で、酒に酔っている様子もなく、いつも駅のホームのベンチに座って、腕を組む姿勢で寝ていました。
その男性の左手の薬指に光る結婚指輪を見るたびに、「何か、まっすぐ家に帰りたくない理由でもあるのかしら」と疑問に思っていたのです。
そんな彼の正体は、意外なところで明らかになりました。
ママ友宅でお茶会中に、帰ってきた旦那さんの顔を見たら……?
ある日、町内の家族イベントで仲良くなったママ・Aさんの家に、ママ友数人で集まりお茶会をしていた時のこと。
話が盛り上がって、気づいたら日が暮れて外は真っ暗に。「長居してごめんね〜」とAさんに謝りながら皆で帰り支度をしていると、ちょうどAさんの旦那さんが仕事から帰ってきました。
その顔を見て、心の中で「あっ」と叫ぶ私。その男性は、いつも駅で寝ているスーツの男性だったのです。
「彼はAさんの旦那さんだったんだ。それにしても、いつもなら、彼はまだ駅で寝ているはずの時間。今日はどうして早く帰宅したんだろう」なんて思っていた時でした。
突然、Aさんが皆の前で、旦那さんに「なんでこんなに早く帰ってくるんだよ! なるべく家にいるなって言ってるだろ!」と叱責し始めたのです。
さらに「風邪をひいてしまったから、今日くらいは家で休ませてくれよ」という旦那さんに対して、Aさんは「はぁ? なら尚更帰ってこないでよ! 私と子供達にうつるじゃない!」と冷たく一蹴。
旦那さんは無言で、フラフラしながら奥の部屋に入っていきました。
見かねたママ友の一人が「ねぇ、何か事情があるのかもしれないけど、旦那さんに対しての態度、酷すぎない?」とAさんをたしなめました。