「友達がたくさんいるのはいいこと」そんなふうに考えている人は少なくないと思います。
これは、親から言われ続けた『ある言葉』に苦しめ続けられた私の友人A子の話です。

『友達至上主義』の母親

私の母親は「友達は多ければ多いほどいい」という考え方で、幼稚園や小学校低学年の頃はつねに誰かを家に招き、今思えば私の友達づくりに必死でした。

そんな母の口癖は「友達いっぱいできた? 今日は誰と遊んだの?」
しかし、私は小さい頃から一人で過ごすのが好きだったのと、人と話すのがあまり得意ではなかったので母親から「友達」を押し付けられる毎日が嫌で嫌で仕方ありませんでした。
毎日母が聞くことといえば「今日はどんな友達と遊んだの?」「今日、AちゃんがBちゃんと遊ぶってAちゃんのママが言ってたけどあなたは遊ばないの?」「今何人ぐらい友だちがいるの?」と私がどれだけ友達がいるかの確認でした。

確認だけにとどまらず……

それだけならまだ我慢できたのですが、正直に「一人でいる時間が好きだから」「友達は少ないよ」というと怒り出し、「友達が少ないことは悲しいことで悪いことなのよ!」と機嫌が悪くなってしまうのです。

私は学生時代、仲の良い友達はずっと一人か二人だけだったのですが、母の刷り込みから友達が少ないことが恥ずかしく後ろめたいと感じていたため、そのことは母には言えず、ずっと友達がたくさんいるふりをしていました。
友達が少ないことや一人で過ごす時間よりも、家に帰って母に「嘘の友達」の話をする時間が虚しくとてもつらかったのを覚えています。