幼い子供にとって、親は絶対的な存在です。そんな親から言われた言葉が、トラウマになっているという人は多くいるでしょう。今回は、大人になってから母親が毒親だと気付いた、筆者の知人Aさんのお話です。
勉強を強要された子供時代
Aさんはとても教育熱心な母親のもとに産まれました。
母親は高学歴ではあったものの、第一志望の大学には受からなかったという悔しい過去の持ち主。受験に失敗したことが相当コンプレックスだったようで、Aさんには同じ思いをさせまいと「子供の仕事は勉強だ」と常に言い聞かせていました。
母親を大切に思うAさんは素直に言うことを聞き、遊ぶ時間を惜しんで勉学に励みました。
大学入学後、燃え尽き症候群に
必死に勉強を頑張った結果、地元で一番の進学校に進学し、優秀な大学にも入学できたAさん。そんなAさんは母親にとって自慢の娘でした。
しかし、目標を達成したAさんには、その後やりたいことが何一つ思い浮かびませんでした。大学に入ることがゴールだと感じていたAさんは、燃え尽き症候群になってしまったのです。
母親の勧めで就職するも
Aさんが大学四年生になると、母親が「知り合いがいるから、この企業の入社試験を受けなさい」と言ってきました。全く興味はなかったものの、「母親が勧めるなら」と軽い気持ちで入社することにしたAさん。
ところが、勉強ばかりしてきたAさんは人との接し方が分からず、職場の環境になじめませんでした。そして、わずか半年で退職してしまったのです。
気付けば友人は一人もおらず、一人ぼっちになっていたAさん。この時、母親の言いなりになっていた今までの自分を悔やんだと言います。