これは実際に私が体験した話です。
私は変形性膝関節症を患っており、歩行のために杖を利用していました。大好きなアイドルのライブのため、ホテルに滞在した際のお話です。

便利な立地

そのホテルは、駅からの移動もスムーズで、ライブ会場も目の前、待ち合わせに利用する方も多く、地方参戦者は、ライブの日程発表と同時に、そのホテルの空室状況を確認するような便利な立地。
レストランやコンビニエンスストアも併設しており、宿泊するお客様だけではなく、ライブ会場を利用するファンの人たちも、かなり立ち寄っているようでした。

ホテル内のレストランを利用しましたが、館内はグッズを持ったファンで混みあっていました。

食事が終わり部屋に移動

ライブ前に一旦部屋で休もうと、レストランと宿泊棟を結ぶ連絡通路を利用。
その通路は、駅から入ってくる方も多く利用する通路で、人が3人くらい並んで歩ける通路でした。
私は、膝が痛く少し歩くのに支障があるため、右手には杖、左手は手すりを持ち、足元に注意して、ゆっくりのスピードで歩いていました。

すると、正面から、ホテルの制服、名札を付けた女性スタッフが歩いてくるのが見えました。
彼女は、視線を私の方向に向けたまま、無表情で、まっすぐ進んできます。
しかも、私の方へ寄らなくてもすれ違える通路なのに、なぜかわざわざ手すりを持っている私に寄って歩いてくるのです。

あと5歩くらいの間隔になっても、全く表情も歩調も進路も変えない女性スタッフ。
このままではぶつかる!
そう思った私は手すりから手を放し、ふらつきながら進路を譲り、立ち止まりました。

視線さえ動かさない表情

一方、会釈をして通り過ぎるでもなく、一点を見つめたまま、私の存在はないものかのように、歩調を緩めることなく進んでいく女性スタッフ。
後姿を見つめていると、すれ違う他のお客様にも同様の態度を取り、「STAFF ONLY」 と書かれたドアの中に消えていきました。

残念な出来事

駅からの通り抜け客だと思われたなど、何か理由があったのかもしれません。
大きなライブの際は、スタッフの方も大変だということは理解はできますが、足元に自信がない私にとっては、とても怖い経験となりました。
お気に入りのホテルなだけに、残念な気持ちになった出来事です。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。