私はコールセンターに勤めており、管理職になったばかりの頃、高校を卒業したばかりの新人A子が配属されてきました。
余裕のない私
私は昇格して管理職になったばかりの時期で、新人管理職用の研修を受けたり、慣れないトラブル対応を行ったりと気持ちに全く余裕がありませんでした。
いい経験だからと、新人研修も任されることになり、試行錯誤しながら研修を終え、どうにかA子も一人で電話が取れるまでになりました。
対応が難しい電話
そんなある日、A子が対応した電話は専門用語が多く、新人には難しい内容でした。
わからないことを質問されたA子は、電話を保留にして、私のところに来ました。
しかし、タイミング悪く、私は急ぎの打ち合わせがあったため、早口で、ベテランに伝えるように指示出しを行ってしまったのでした。
私は、A子が席に戻り、お客様対応を再開したのを確認して、打ち合わせへ。
戻ってみると
打ち合わせを終え、15分ほどで席に戻ると、目を真っ赤にしてティッシュを手にしているA子。
電話対応は、隣のベテランオペレーターに交代していました。
お客様対応が終了したのを待って、交代してくれたオペレーターにお礼を言い、泣きながら席を立ち部屋を出て行ったA子。
電話を交代したベテランオペレーターに経緯を確認すると、A子は私の指示の意味が全くわからなかったが、そのままお客様にお伝え。
しかし、「答えになっていない」 とお叱りを受け、涙声になってしまった。
お客様から「他のオペレーターに交代してほしい」 とのお申し出があったので、交代をしたとのこと。
私の配慮のない指示のせいで、お客様とA子、双方の信頼を損ねる結果となってしまいました。
信頼を失う
それから、私を避けるようになったA子。
信頼関係を築くことができるまでに数カ月を要しました。
後から考えれば、打ち合わせは社内の人が相手だったので、待たせておけばよく、A子には丁寧な説明とフォローが必要だったので、私の選択間違いでした。
「これから頑張ろう」 と思っている新人に対して配慮が足りなかったと猛省しています。
それ以降、新人対応にはより留意するようにしましたが、今でも思い出すと、自分のふがいなさとA子の涙に、心が痛くなる思い出です。
【体験者:50代・筆者、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。