親しき中にも礼儀あり、友人の中にも時には度を越したお願い事をしてくる人が存在するようです。今回は、筆者の知人Kさんが体験した図々しい友人エピソードをご紹介します。

苦手な友人を持つKさん

Kさんは、高校生の時からの友人であるXさんのことが少し苦手でした。なぜなら、Xさんは何かにつけて首を突っ込んでくるところがあったからです。特に恋愛においてその行動は顕著で、Kさんに彼氏ができると、まるで自分のものかのように彼のことを呼び始めたり、Kさんと彼のデートに無断で付いてきたりしていました。
高校を卒業して、大人になってからもXさんとの友人関係は続いていたのですが、内心はいつか距離を置きたいと思っていました。

郊外に住むようになった

Kさんは結婚すると、夫が東京から離れた郊外で家庭を持ちたいという希望があったので、都内から電車で1時間半程度離れた田舎に住むことになりました。
Xさんは昔から都会が大好きなので、ここには絶対来ないだろうなと思ったKさんは、結婚する前から家探しをして引越しの準備を整えました。
そして、いざ引越して連絡をしたのち、Xさんが興味を示さなかったので、Kさんもこれには喜びました。

休みの日に突然、「来ちゃった♪」

しかし、ある日曜日の朝に突然Xさんから「◯◯駅まで来ちゃったー♪」と、Kさんの家の最寄駅に来たと連絡がありました。なぜ!? と思いながらも、その日は特に用事もなかったので、Kさんは駅まで迎えに行き、家に招き入れました。
なぜ突然来たのかを尋ねると、「だって突然じゃないと、家に入れてくれないでしょ?」と言うのです。その理由には全く納得いかなかったKさんでしたが、遠いところまで来てくれたので、もてなすことにしました。
自由奔放に振る舞うXさんは、結局、そのまま1日中家に居座りました。夜も当たり前のようにご飯を食べ、お酒を飲み、終電がなくなりそうな時間になってしまいました。

非常識なお願い事が……!

すると、「あ、ここって都内まで車で1時間かからないくらいでしょ? 車で家まで送って行ってよ」と言い出したのです! 今は夜の10時半、明日は月曜日でKさんも仕事があるし、夫はお酒を飲んでしまったので運転できるのはKさんしかいませんでした。これには腹が立ったKさんは、逆に良い機会だと思い、Xさんにある用紙を突き出しました。

そこにはXさんの家までかかるタクシー代を算出したもので、そこにプラスして今日の家で食べたご飯とお酒の代金も追加されていました。
「これをきちんと支払ってくれるなら、送って行ってあげる。」と言ったところ、Xさんは唖然とした顔をした後、すぐに怒り始めました。「なにそれ。そんなケチだと思わなかった! もうこんなところ二度と来ない! 外でタクシーつかまえるわ。」と出て行ったのです。

悪気はなかったのかもしれませんが、あまりにも人のことを考えていなさすぎですよね。
その後、30分ほどしたらXさんから連絡が来ました。「タクシーが全然つかまらないから、せめて駅まで送って行ってほしいです。」と、しぶしぶお願い事をしてきたのでした。Kさんは車を出さず、電話してタクシーを呼び、Xさんはそれに乗って帰って行ったのでした。

【体験者:20代・女性主婦、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:南さおり
読者モデルを経て、ライターに転身。仕事柄、美容や装いにこだわる女性たちの心理やリアルに興味を持ち、取材。結婚・出産を機に現在は、育児をしながら、女性としての美や健康も両立する女性を主な取材対象に、いつまでもきれいで美しい人生を送るための秘訣をリサーチし発信する女性向けコラムニスト。女性の人間関係に注目した記事も人気。