いつの時代も取り沙汰される、嫁姑問題。深刻化すると、離婚にも発展しかねません。今回は、姑からのひどい言動に悩まされていた友人のA子が、気持ちを切り替えられるようになったきっかけについて話してくれました。

同居をきっかけに、嫁姑問題勃発

私は30代の専業主婦です。結婚を機に義両親との同居が決まり、住み慣れた街を離れて、田舎に越してきました。
姑は、結婚前はとても優しかったので、嫁姑問題なんて起こりえないと油断していたのですが、それはとんだ間違い!
同居するやいなや「今まではお客様気分だったかもしれないけど、今日からは嫁としての自覚を持ってちょうだいね」と一言。
それからというもの、何かにつけては厳しく当たられるようになったのでした。舅も夫も、姑には何も言えないようで、頼りになりません。

何度も実家が恋しくなり、その度に母に泣きながら電話をかけるのですが、「嫁いだ身なのだから、多少のことは我慢よ。謙虚にお姑さんの言うことを聞きなさい。あちらのお義母さんだって、あなたが憎くて言ってるんじゃないわ」と諭されてしまいます。
実の母ですら味方になってくれない。私は悲しい気持ちでいっぱいでした。

姑からの叱責

ある日、私の妊娠が発覚。みんなとても喜んでくれ、両家で集まってお祝いをすることになりました。
皆が揃うせっかくの機会です。出産の時くらいは実家に帰れるのではと、ウキウキしていた私は、その場で里帰り出産を相談しました。

すると、姑は大激怒! どうやら、知り合いの産院の院長に勝手に話をつけていたようで、嫁がそれを断り、帰郷するのが恥ずかしいと思ったようでした。
「嫁としての自覚が足りないんじゃないの!? 本当にダメ人間ね。母親がこうじゃ、生まれてくる子供はたかが知れるわ!」
さすがにひどすぎます。私のことだけならまだしも、まだお腹の中にいる我が子のことを悪く言うなんて。私が言い返そうとしたその時―。

「嫁にやる家を間違えたようです!」

「うちの娘は、どこに出しても恥ずかしくない子です! ダメ人間なんかじゃありません。謝ってください!」
怒りに体を震わせながら、叫ぶように言ったのは、母でした。母は大人しい性格で、人に怒鳴ることなんていつもならありえません。一同が驚いていると、「どうやら、嫁にやる家を間違えたようです。A子、いつでも帰ってきていいわよ。こんな家、あなたにはもったいないわ!」と、まくしたてました。

すると、舅と夫が、なんと姑に初めて注意をしたではありませんか。
「おい、言いすぎだぞ。A子さんに謝らないか!」「そうだよ、母さん! A子、本当にごめん」
姑は、バツが悪そうに私に謝罪をしました。

母は強し

結局、義両親とは今も同居中です。悪気はないのでしょうが、相変わらず、姑から理不尽に怒られることもしばしば。ですが、私のために怒ってくれた母の愛情を思い出すと、不思議と力が湧いてくるのです。私も母になり、強くなったのでしょうか。可愛い我が子のためにも、いつでも笑顔で朗らかにいようと思っています。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:大城サラ
イベント・集客・運営コンサル、ライター事業のフリーランスとして活動後、事業会社を設立。現在も会社経営者兼ライターとして活動中。事業を起こし、経営に取り組む経験から女性リーダーの悩みに寄り添ったり、恋愛や結婚に悩める多くの女性の相談に乗ってきたため、読者が前向きになれるような記事を届けることがモットー。