子どもは天からの授かりものです。授かるタイミングは、神のみぞ知ること。わかっているはずなのに「産め、産め。」とマタハラはなくなりません。今回は筆者の知人がマタハラに苦しめられたときの経験をインタビューしてきました。

妹の妊娠

私は結婚して数年が経つ20代後半女性です。

この度、3歳年下の妹が妊娠しました! 「姪か甥ができる。」と素直に喜び、妹の体調を気遣っていたのですが、妹の妊娠がきっかけとなり、この後長きにわたって苦悩することになるとは思ってもいませんでした。

親戚の集まり

妹は安定期に入ってから親戚の集まりで妊娠報告をおこないました。

みんな口々に「おめでとう!」「よかったね!」と言っていたのですが、ひと通り祝福の言葉が済むと「それで、お姉ちゃんはいつ産むんだい?」と話題が私の妊娠に移行したのです。

その場では「私はまあそのうちね!」とかわして、その話題は終了したのですが、それからというもの親戚の集まりに参加するたび、妊娠について聞かれるようになってしまいました。

不妊治療

実は私は少し子どもができづらい体質のようで、現在不妊治療に通っています。

ただ不妊治療に通っている話は大々的に公表していません。夫と2人で「次こそは!」と願いつつ、服薬や注射などのつらい治療にも向き合っています。

心無い言葉にストレスが蓄積

親戚からの妊娠についての話題は、スルーしていたのですが、徐々にハラスメントなのでは? と感じるほどエスカレートしていきました。

親戚の集まりでお酒を飲まなかったら「もしかしてできたのか?」と聞かれ、転職することを報告したら「子作りのために時短勤務にしなさい。」と強要され、なんでもかんでも妊娠に結び付けられ、私の心はだんだんと疲弊してしまいました。

そんなことが続き、最終的には不妊治療に通っていることを話す羽目に。

どうしても隠したかったわけではないのですが、マタハラからの圧がきっかけで話さなければならなくなったことが悲しく感じました。

心配してくれているのはわかるのですが、いくら親戚だとはいえ、あまりにプライベートに干渉しすぎるのは勘弁してほしいと感じた出来事です。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2024年10月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。