愛する我が子を想っての言動も、当の子どもにとっては辛い経験になってしまっていることがあります。
筆者の知人から聞いた子育ての後悔エピソードをご紹介します。
厳しく子育てした
これは、私の娘に対して『本当にごめんなさい』と、今も何度謝っても足りないほど後悔しているお話です。
娘は私が35歳のときに初めてできた子でした。
当時私は高齢出産といわれる歳に産んだこともあって、娘と同じ年齢の子のママはみんな20代。
周囲からの目が気になるあまり『一人娘の我が子が将来不憫な思いをしてはいけない』と考えた私。
良妻賢母な女性に育ってほしいと思うがあまり、ついつい厳しく育てていたのです。
「テストは100点が当たり前!」
「料理を焦がすなんてありえない」
「もっと男性をたてなさい!」
喧嘩する日々
その結果、娘が高校生になる頃には毎日のように喧嘩ばかり。
それでも最後には、
「お母さんの言うとおりね」
と娘が折れてくれるので、私の教育方針は間違っていないと思っていました。
それから月日は流れ、娘は結婚することに。
その結婚式の前夜に娘が我が家にやってきて、私への手紙をサプライズで読んでくれたのですが......。
娘よ、ごめんなさい
「お母さんは本当に厳しかった」
「女性らしさよりも私らしさを大切にしてほしかった」
「ありのままの私を愛してほしい」
そう涙ながらに話す娘の姿に、これまでの接し方が間違っていたと気づいた私。
「本当にごめんなさい」
「あなたを愛しているわ」
と伝えたものの、あの言葉と娘の泣きじゃくる姿が今でも忘れられません......。
今もなお
それから数年後の今、娘も1児のママに。
毎日育児にてんてこ舞いで『お母さんってすごいね!』『今ならお母さんの気持ちも分かるかも』と言ってくれています。
でも、私からすればどうしても、娘に辛い思いをさせてしまったことへの自責の念がなくなることはありません。
『せめて良きおばあちゃんでいられるように』と思い、今は娘の意思を尊重して育児のサポートをしています。
【体験者:60代・女性主婦、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。