最低なベテラン上司
私の友人・A子は銀行員として働いていました。新卒で入行してから3年後、他の店舗に異動することになったのですが、そこには後輩に厳しいことで有名なベテラン上司・B美がいたのです。
異動後、すぐB美にターゲットにされたA子。少し笑うだけで「仕事中はヘラヘラするな」と叱られ、仕事を教わろうとすれば「あんたに教えるなんて時間の無駄」と言われてしまいます。
優しくて控えめな性格のA子は、B美に反発することはできず、いつも言いなり。B美にとってそんなA子は格好の餌だったわけです。
そんなある日、A子が書類のチェックミスをしてしまいました。するとB美がこう言ったのです。
「本当に無能。使えない人間なんだから早く仕事辞めたら?」
B美に罵られショックを受けたA子でしたが、その後もめげずに仕事に励んでいました。
身も心も限界
しかし、B美のパワハラに耐えてきたA子の心に限界が訪れます。
朝、ベッドから起き上がろうとしたA子でしたが、仕事のことを考えると足がすくみ身体が動かなくなってしまったのです。
自分が気付かない間に、精神的にボロボロになっていたA子。医師に相談し、しばらく休養しながら今後について考えることにしました。
B美のせいで仕事を辞めるのは、負けた気がして嫌だとずっと思ってきたA子。でもこれ以上仕事を続ければ自分が壊れてしまう……そう思ったA子はある決意をします。
「もうあの人がいるところでは働きたくない。転職しよう」
逃げてもいい
その後、他の企業に転職したA子。給料は下がってしまったものの、心も身体もすっかり元気になりました。
そんなA子は当時をこう振り返ります。
「耐えられないほど辛い思いをするくらいなら逃げることも大事。体を壊す前にもっと早く気付けばよかった」
B美も指導の一環だと思っていたのかもしれませんが、人を傷つける発言はよくありませんよね。現在A子は大嫌いなB美と顔を合わせることがなくなり、とてもスッキリしたと話しているのでした。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年10月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:花澤ひかる
主婦ライター。ママ友たちからの悩みを聞くうちに、この声を世に届けたいと、ブログなどで活動を開始し、現在はltnライターに転身。主婦目線を大事に、ママ世代へのフィールドワークと取材を行い、そのリアルな思いをコラムにすることをライフワークにする。