子どもを連れて出掛けていると、本当に色々なことがありますよね。周囲の人に迷惑をかけてしまいそうになり、焦った経験がある人もいるのではないでしょうか? 今回は子育て中の友人が最近体験したエピソードを聞かせてくれました。

イヤイヤ期の息子

私は2歳の息子を育児中です。絶賛イヤイヤ期で、とにかく言うことを聞いてくれない息子に、毎日翻弄されています。

特に大変なのは保育園から家までの道のりです。本来なら10分ほどで着くのですが、寄り道したり、突然歩かなくなったりと、毎日時間がかかってしまいます。

最近では帰り道の途中にあるコンビニで、ちょっとしたお菓子や翌日食べるパンを買い、息子の機嫌をとりつつなんとか帰宅するのが日課です。

店員は無愛想で……

いつも私たちがそのコンビニを訪れる時間帯には、シフトが固定されているのか、決まって同じ若い男性の店員がレジをしていました。
おそらく大学生でしょうか。無表情で愛想がない人なので、「きっと子どもがうるさいと思われてるんだろうなぁ……」と私は内心びくびくしながら買い物をしていたのですが……。

財布がない?!

ある日、いつものようにコンビニに入り、息子のお菓子を買おうとレジまで行ったところで、私は財布を忘れたことに気付きました。
しかも、そんな時に限ってスマホもなく、キャッシュレス決済もできません。

どうしようもないので、息子に向かって「ごめんね、今日は買えないの」と必死で言い聞かせましたが、もちろん納得できない息子は私の説得もむなしく、レジ前でギャン泣き!

幸い私たちのほかにお客さんはいませんでしたが、いつもの無愛想な店員を前に、私は冷や汗をかいてしまいました。

思わぬ優しさにほっこり

するとその時、店員が息子のお菓子をレジに通して、ポケットから小銭を出し、「今日は俺がご馳走します。いつもありがとうございます」と言ってくれたのです。

息子は機嫌を直して大喜び! 私が丁重にお礼を言うと、店員さんは黙ったまま少し笑顔で会釈をしてくれました。
そして、「明日ちゃんとお金をお返ししますので……!」と恐縮して私はコンビニを後にしました。
てっきり嫌がられているのかと思っていましたが、そうではないことが分かって、人を見た目で判断した自分を恥じた出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2024年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。