小学校3年生になると、外国語活動という授業が始まります。外国人の先生が教えてくれて、早くから英語に触れる機会になる人気の授業です。子どもの授業参観が外国語活動と聞いて楽しみに行ったのですが、とても気まずい空気で……。そんなエピソードを友人が聞かせてくれました。

子どもの授業参観の科目は英語

子どもから、「今度の授業参観はマイケル先生(仮)が英語を教えてくれるんだよ」と言われたので、私は楽しみにしていました。子どもは学校で習った簡単な英語を家で言うこともあるので、小学校で習う英語はどんなものなんだろうと興味もありました。

クラスにはアメリカと日本のハーフの男の子Kくんがいますが、「Kとマイケル先生は本物みたいな英語でしゃべってる」という息子の話も、当日楽しみにしていました。

突然のママ介入で気まずい空気!

そして授業参観当日。20人ほどの保護者が教室で見学していました。

でも、教壇に立っているのはマイケル先生ではなく代役の日本人の先生。すると先生から「マイケル先生は熱があってお休みです。今日は先生が英語を担当します」と話がありました。

先生は簡単な英語の文章を黒板に書き、子どもたちに復唱させていました。すると、うしろで見ていたひとりのママが「先生、そこはaを使う場面ではないですよ」と一言。突然しゃべりだしたママにざわめく子どもたち。

「こういうときにaは使わないんです。このaは〜〜」と理由を話し続けます。先生は慌てつつも、「失礼しました」と黒板の文字を直していました。

ネイティブ級の生徒が授業の主役に

その後も授業は続き、私はこのママはハーフのKくんのママだと気付きました。そして中盤、また先生が英語の文章を読み、子どもが復唱していたときのこと。

Kくんのママが、「K、ちょっと文章読んでみれば?」と発言したのです。すると先生は、「そうだね、先生が話すよりもKくんが話したほうが良いと思う」と言い、Kくんがネイティブの発音で英語を話していました。

Kくんは照れくさそうでしたが、子どもたちは「かっけー!!」と大盛りあがり。

授業参観の保護者の雰囲気は

Kくんのママとしては「子どもたちに正しい英語を伝えなくては」という善意の行動だったのかもしれません。一方で、その様子を見ていた保護者たちは、「先生の立場がないね……」となんとも言えない雰囲気に。代役の先生の頑張りも伝わってきた分、ほろ苦い授業参観の思い出でした。

【体験者:30代・主婦、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Yuki Unagi
フリーペーパーの編集として約10年活躍。出産を機に退職した後、子どもの手が離れたのをきっかけに、在宅webライターとして活動をスタート。自分自身の体験や友人知人へのインタビューを行い、大人の女性向けサイトを中心に、得意とする家族関係のコラムを執筆している。