お誕生日にはケーキ屋さんでホールケーキを予約する人も多いでしょう。何日も前に注文して、受け取るのが楽しみですよね。今回は、そんなお誕生日ケーキにまつわるトラブルを経験した筆者の知人Mさんのお話です。

ケーキがない!?

そしてSさんのお誕生日当日。Mさんは予約票を持ってケーキ屋さんに向かいました。

「あの、ケーキを予約していたMです」
「はい、少々お待ちください!」
Mさんはカウンターの前で待っていましたが、10分以上経過しても店員さんはケーキを持ってきてくれません。

どうやら店の奥で何か揉めている様子で、焦ったような数人の店員さんの声が聞こえました。
「すみません、まだですか? ちょっと急ぐのですが……」
プレートを描くためにもう皆が集まっているため、しびれを切らして声をかけると、店員さんの口からまさかの発言。
「大変申し訳ございません! 予約用のお取り置き分を、手違いで先ほど店頭で販売してしまいまして……」
「えっ!?」
話を聞いてみると、新人の店員さんが予約品と一般販売品の区別を誤ってしまったのが原因とのこと。

Mさんが注文した特注サイズの大きなケーキは、プレートを乗せていない状態だったため、店頭に出すひと回り小さいホールケーキと混同して出してしまったというのです。

「すぐに新しいものを作り直し、ご自宅までお届けします!」
店側は平謝りで、数時間後に新しいケーキを家まで届けてくれました。
おかげでお祝いのパーティーにはなんとか間に合わせることができました。

しかし「大切な予約を他人に売ってしまう」という管理体制への不信感は拭えませんでした。

パーティーは盛り上がりましたが、Mさんはそのケーキ屋さんには行かなくなったそうです。 お誕生日ケーキには、贈る側の特別な思いがこもっています。「代わりがあればいい」という問題ではないからこそ、お店側には一段と徹底した管理をお願いしたいものですね。

【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2024年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:齋藤緑子
大学卒業後に同人作家や接客業、医療事務などさまざまな職業を経験。多くの人と出会う中で、なぜか面白い話が集まってくるため、それを活かすべくライターに転向。現代社会を生きる女性たちの悩みに寄り添う記事を執筆。