ですが、食物アレルギーを持つ子どもに「喜びそうだから」という思いだけで食品を与えるのは、とても危険です。これは筆者の知人が体験した、子どもの食物アレルギーの話です。
卵アレルギーの息子
息子の翔(仮名)は卵アレルギーを持っています。
卵に完全に火が通った状態であれば反応は出ないのですが、少しでも生の状態の部分を食べてしまうと、腹痛や下痢を起こしてしまいます。
家庭で卵が入った料理を作る時は完全に火が通ったか念入りに確認。
外食は卵の火の通り具合の確認が難しいので、卵を使用していそうな料理は、食べさせないように気をつけていました。
なのに、まさかの出来事が起きてしまったのです。
子どもはオムライスが好き
翔が5歳の時のことです。
近所に住む義両親が翔と過ごしたいと、我が家に翔を迎えに来て義実家に連れて行きました。
昼食を一緒に食べると言っていましたが、普段から翔の卵アレルギーについて伝えていたので「卵料理を食べさせることはないだろう」と不安なく送り出しました。
義実家では出前をとって昼食を食べることになり、義父母は「小さい子どもはオムライスが好きだろう」と考え近所の食堂にオムライスを注文し、翔に食べさせてしまったのです。
半熟の卵を食べてしまった
私のもとに「翔がお腹を痛がっている」と義両親から連絡が入りました。
聞けばなんとお昼ごはんにオムライスを食べさせたとのこと。
医師から処方されていた抗アレルギー薬を持って急いで義実家に駆け付けると、翔が脂汗を流しながらお腹を痛がっていました。
抗アレルギー薬を飲ませ、しばらくすると翔の腹痛は治まりました。
翔が食べたというオムライスの残りを見ると、卵がトロトロの半熟タイプのものだったのです。
オムライスを食べさせてもらえなくてかわいそう
「翔に卵アレルギーがあり卵料理を食べると腹痛や下痢を起こすと、普段から伝えていたにもかかわらず、なぜオムライスを食べさせたのか」
と、私は義両親に詰め寄りました。
すると義両親は
「子どもが好きなオムライスを、翔は家で食べさせもらえていなくてかわいそうだ。自分たちは良かれと思ってしたことだ」
と、食物アレルギーに対する重大さがわかっておらず、反省する様子もありません。
孫においしいものを食べさせたいという気持ちは、とてもありがたいものです。
ですが食物アレルギーは命に関わることもあります。
認識が甘い義両親に不安と怒りを覚え、翔を一人だけで義実家へ行かせることはやめました。
【体験者:30代・専業主婦、回答時期:2024年9月】
※食物アレルギーは命に関わる恐れもある生理現象です。重大なこととして認識し、接してください。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
Itnライター:K.Sakura
セラピスト・販売員・介護士の職を通じて常に人と関わる職務経験から得た情報を記事化するブロガーを志す。15年ほど専業主婦兼ブロガーとして活動するも、モラハラな夫からから逃げるために50代にして独立。母としては、発達障害のある子どもの育児に奮闘。自分の経験が同じような状況に悩む人の励みになって欲しいと思い、専門ライターに転身。アラフィフでも人生やり直しができることを実感。