でも、先祖代々が眠る墓石を撤去するということに抵抗感がある親族と揉めることも……。
今回は筆者の知人から聞いた、お墓に関するエピソードをご紹介します。
墓じまい
これは、最近まで悩んでいたお墓に関するトラブル話です。
先日、私の母が病のため亡くなりました。
悲しい気持ちを抱えつつも葬儀を一通り終え、最期に母が残した遺言に倣って【墓じまい】をすることに。
兄弟のいない私と妻を気遣ったのか、『管理が大変だから』と母の代で墓石を撤去するようお願いされていたのです。
確かに、数年前から足の悪い母に代わって毎月墓石の掃除をしたり、墓地管理費を支払うのは、正直負担でした。
そのため、墓じまいの手続きを進めようとしていたのですが……。
伯母が大反対!
墓じまいをするにあたり、母の姉である80代の伯母にも一応相談すると、まさかの大反対!
「先祖代々受け継いできたのに」
「これからも守るべき」
『何が何でも墓じまいは反対だ』という姿勢を崩さない伯母。
でも話を深掘ると、ご先祖様どうこうではなく『ただ自分もそのお墓に入りたい』『死んでからも誰かに世話してほしい』という魂胆で反対しているようでした。
そこで、イラっとした私は切り札を!
分骨
「それなら分骨にしましょう」
「私たちはそのまま墓じまいするので」
「伯母さんがあとは管理してください」
すると、途端に狼狽え始める伯母。
それもそのはず、文句ばかり一丁前に言ってくる伯母ですが、これまで一度も墓石の掃除をしたり管理費を負担してくれることはなかったのです!
結局は、母にずっと押しつけていた面倒ごとを私たちに押しつけたい、という考えが見え見えでした。
その後
結局『新たな供養先を見つけるのが大変だから』と分骨を断ってきた伯母。
まさか揉めるとは思っていませんでしたが、いずれにせよ、母の遺言通り無事に墓じまいできてほっとしています。
【体験者:50代・男性会社員、回答時期:2024年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:一瀬あい
元作家志望の専業ライター。小説を志した際に行った女性への取材と執筆活動に魅せられ、現在は女性の人生訓に繋がる記事執筆を専門にする。特に女同士の友情やトラブル、嫁姑問題に関心があり、そのジャンルを中心にltnでヒアリングと執筆を行う。