「人手不足」「残業」「休日出勤」「時間外労働」「ハラスメント」どこの会社でも多かれ少なかれ問題はあると我慢していませんか? 今回は同じような考えを持ち、自分を追い詰めてしまった私のエピソードをご紹介します。

見逃していたSOS

私は全国展開している会社の正社員で営業や事務をしていました。

この会社に入社したとき、すでに前任者は退職しており、引き継ぎもない状況で手の空いた上司や同僚が仕事を教えてくれる体制でした。

入社して1か月経ったころ、昨日まで一緒に働いていた1人の同僚が突然退職。それから間もなくもう1人の同僚が体調不良を訴え、長期休暇に入りました。

常に新しい社員の募集がかかっていましたが、なかなか新人が入社してくることはありません。

入社して3か月が経ったころには、私自身も毎日の残業と終わらない業務に疲労を感じ始めていました。

自分に言い聞かせる

実は私、この会社に入社する以前はアルバイトの経験しかなく、正社員として会社に勤めるのは初めて。

入社から半年経った頃には仕事に慣れてきて、ひと通りの業務はこなせるようになっていたものの、体の疲労感が取れず、なぜだかいつも苛立っていました。通常時の体調やメンタルではないと感じていたのですが、なんせ初めての会社勤めです。

「このくらいで辞めたらだめだ」「どこの会社も大変なのは当たり前だ」「ハラスメントがなく、待遇が平等なホワイト企業なんてない」と自分に言い聞かせ、毎日疲れの取れない体で無理やり出社していました。

ついにうつ病と診断

そんな体調のまま、退職する勇気もなく1年ほど会社勤めを続けていると、ついに病院でうつ病だと診断されてしまいました。

うつ病と診断された私の当時の症状は、毎日嘔吐する、ストレスで髪の毛が抜ける、物事が考えられなくなりボーっとする、訳もなく涙が出るといったもの。

当時は「もう社会復帰できないかもしれない」と本気で悩みました。そして「こうなる前に自分のSOSに気づいて退職すべきだった」とも思います。

いまではその会社は辞め、すっかり体調もよくなりフリーランスで元気に働いています。

みなさんも自分の体や心が不調を訴えているときには、無理しすぎずに体や心を優先してあげてください。

【体験者:30代・女性自営業、回答時期:2024年9月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A
夜の世界での接客業を経て、会社員に転身。その経験を生かして、男女の人間関係を中心にコラムを執筆。結婚と出産の際に会社員として苦労した経験を経て、働く母親世代の思いにも寄り添うべく、執筆業専門に転身。現在は、男女関係、ワーキングマザーのリアルを描くライティングを行う。