人混みの中で、子供の身の危険を感じたことはありませんか? 今回は、筆者の実体験エピソードです。雨の日、息子と駅の中を歩いていたのですが……。

その傘、凶器です

その日の駅は、とても混雑していました。急いで歩く人波の中、私は息子の手をギュッと握りしめ、ホームに向かいます。

「ママ、電車だよ! 大きいね!」

まだ未就学児の幼い息子。めったに駅を利用することがないので、久しぶりに電車を見て大興奮です。

そのとき、一人の男性が早歩きで私たちを横から追い越していきました。私はその男性を見て「この人、ちょっと危ない」と警戒します。

理由は「傘の横持ち」。傘の鋭い先端を後ろに向けて、手をブンブン振りながら歩いていたのです。そしてその傘の高さは、ちょうど子供の顔くらい。当たったら大変です。

あ、あぶない!

男性は私たちを追い越した後も、急いで先に進んでいきます。距離が開きホッとしたのも束の間、息子が「わーい」と私の手を振りほどいて前の方へ走り出してしまいました。

「待ちなさい!」と息子を追いかけようとした瞬間、なんと男性がスマホを見ようと急に立ち止まったではありませんか。もう少しで傘が当たる……! 男性の方に走って行く息子に、私は大声で「危ない! 止まりなさい!」と叫びました。

間一髪で、私の声に足を止めてくれた息子。そのとき傘の先端は息子の顔まで10センチほど。私はサァーっと血の気が引きました。