コロナ禍以降、飲食店のテイクアウトや宅配が増えてとても便利になりました。しかし提供する側のお店はオペレーションが増えたために教えることも増えて、社員教育が追い付かないこともあるようです。今回はそんなテイクアウトに関するトラブルを経験した筆者の知人、Aさんのお話です。

ピザのテイクアウトを注文

Aさんはある日、友人たちと家で集まる用事があったため、近所のイタリア料理店に電話をかけてピザやパスタのテイクアウトを注文しました。
「13時に取りに行きます!」
「はい、ご用意してお待ちしてます」

Aさんは指定した時間通りにお店に行き、レジにいた店員さんにテイクアウトを予約していることを伝えました。
「大変申し訳ございません、ちょっと店が混雑していて出来上がりが遅れているようです。出来上がり次第お呼びしますので、少々お待ちください」
「わかりました」
出来上がったら呼びますと言われたので、Aさんはレジの近くの待合席に座って待っていました。
「なんか遅いなあ……」
しばらく待っていましたが、Aさんの名前が呼ばれることがいっこうにありません。

冷めたピザ

「予約した〇〇です」
「はい、こちらですね」
20分後、Aさんより後にきたお客さんがテイクアウトの商品を受け取るのを数人見送り、Aさんは店員さんに声をかけてみることにしました。
「あの、Aですがまだ出来上がりませんか?」
Aさんがチラッとレジカウンターの奥を見ると、ぽつんと白いビニール袋が置いてあるのが見えました。
「あっ……」
その店員さんはさきほどAさんを呼んでくれると言った店員さんでしたが、Aさんの顔を見るなり慌てた様子。
「こちらです!」
大変お待たせしました、などの謝罪もなく、カウンターの奥に置いてあった白い袋を渡されます。
「あ、どうも」
いつから置いてあったのかな、と思いながらAさんはお金を払い、その袋を持って帰りました。