金髪で青い目のように、見た目の特徴から外国人に見える相手と話す時は、その人の母国や言語がわからない状態でも「英語を話すべきかな」と緊張してしまう人も多いのではないでしょうか。今回は外国人の夫を持つ筆者の知人Sさんから聞いた、言語をめぐるトラブルのお話です。
外国人の夫に……
Sさんは当時職場で知り合った外国人の旦那さんと、幼稚園に通う息子さんの3人暮らしでした。
「今日は僕が迎えにいくよ」
「いいの? ありがとう!」
ある平日、たまたま休みをとっていた旦那さんが幼稚園に息子を迎えに行ってくれるとのこと。旦那さんは仕事が忙しく、幼稚園に行くのは入園式以来でした。
息子はSさんに似て黒い髪に黒い瞳なので、金髪に青い瞳の旦那さんが幼稚園に来たら子どもたちはびっくりするかなあ、とSさんは微笑ましい気持ちで帰りを待っていました。
「ただいま」
「おかえり……って、あれ、Tさんどうしたの?」
息子を連れて帰って来た旦那さんの後ろに、息子と同じクラスに最近転園してきたばかりのTくんとそのお母さんがいたのです。
「Sさん水臭いわ、旦那さんが外国人だって早く教えてよ! 私外国の方とお話してみたかったの!」
なんとTくん親子は幼稚園から旦那さんに英語で話しかけながらついてきたというのです。
「そ、そうなんだ、とりあえずお茶でも飲む?」
Sさんは舞い上がった様子で旦那さんに話しかけるTくんのお母さんのつたない英語を聞きながらお茶の支度をしました。
結局その後、Tくんのお母さんは夕方まで居座って旦那さんにべったり。旦那さんはせっかくのお休みだったのに、子ども同士が仲良しだと聞いて我慢していたそうです。