家事と3人の育児を一手に引き受けている専業主婦の知人T子。T子の夫R男は、たまに気が向いたときだけ家事をして、それを自慢してくることがありました。
正直なところ、家事をルーチン化しているT子にとってはありがた迷惑な面も……。
それでも、せっかくやる気満々のR男のテンションを下げるわけにもいかず、T子は静観していました。しかし、今回は少し違ったようです。これは、T子から聞いたお話です。

夫の突発的な家事スイッチ

T子の夫R男は普段は全く家事をしないのですが、年に数回、突然〈家事スイッチ〉が入ることがあります。今回その稀な瞬間が訪れたようで、お風呂を掃除し始めました。
R男は「オレは毎日風呂掃除をしている。子どもの頃から風呂掃除が得意だとおばあちゃんにホメられていたんだ。ママがするよりも断然キレイだろう!」と5歳の息子に得意気に語っていたのです。

息子の痛快な指摘

しかし、R男の自慢に対する息子の反応は予想外でした。「パパがやらないときはいつもママがしてるよ! ママがするときは、お湯が流れるところもピカピカだよ!」と素直な言葉でR男の自慢を打ち砕いたのです。息子の言葉から、T子が毎回、排水口のぬめりや髪の毛などをしっかり取り除いて掃除していることが、R男に痛烈に伝わりました。
R男の家事スイッチが入ったときの取り組み方は、いつも〈一点集中型〉つまり、お風呂掃除といっても浴槽、壁、床、天井、シャワーヘッド、排水溝……。と色々あるのですが、その一点に力を注ぐやり方なのです。今回は「浴槽のみ」ピカピカにし、他はまったく手付かずだったのでした。

夫の気まずい沈黙

息子の鋭い指摘を受けたR男は、途端に気まずそうな表情を浮かべました。大口を叩いた手前、息子の率直な意見に打ちのめされたのです。T子は、普段から黙々と家事をこなしている自分の姿を息子は見ているんだなと、ちょっぴり嬉しくなりました。