双子を妊娠した友人のK子は、人に頼るのが苦手で何でも自分で抱え込んでしまうタイプでした。しかし、入院中に出会った方を通じて、「自分を変えたい」と思うようになりました。そのきっかけとは──。何があったのかK子から話を聞きました。

切迫早産と2ヶ月の入院生活

友人K子は、妊娠8ヶ月目に切迫早産と診断され、出産までの2ヶ月間、大学病院に入院することになりました。ですが、希望していた個室は空いておらず、大部屋で過ごすことになりました。

24時間の点滴が絶え間なく続き、外出どころか部屋から出ることも禁止されるという厳しい入院生活でしたが、お腹の赤ちゃんのために必死に耐えました。

大部屋での過酷な日々と支え合い

K子はいつ陣痛が来てもおかしくない状態で早産の恐怖と戦い続けました。点滴の副作用はとても辛く、食欲不振、体のだるさなどあらゆる症状に悩まされました。

そんな中、同じ境遇の患者さんから「赤ちゃんも頑張っているから私たちも一緒に頑張りましょうね」という励ましの言葉。K子は苦しみを理解してくれる人がいることを心強く感じました。

看護師さんたちも、とても親切で「お困りごとがあればすぐにおっしゃってくださいね」としょっちゅう声を掛けてくれました。

しかし、K子は他の患者さんや看護師さんに迷惑をかけないようにと、なんでもできる限り自分でやるように努めていました。他の患者さんが看護師さんにお願いするようなことでも、K子からお願いすることはほとんどなかったのです。

帝王切開と個室での孤独

なんとか持ちこたえたK子は、ついに帝王切開の日を迎えました。手術中に出血が止まらず一時は命の危険すら感じましたが、担当医の的確な処置でK子の体も安定し、赤ちゃんも無事に生まれました。

しばらくして、K子は念願だった個室に移動しましたが、産後すぐで精神的に不安定だったためか孤独に耐えきれず、「やっぱり大部屋に戻してください。」と涙ながらに訴えたのです。