ひと昔前は「あの人とは家柄が違うから付き合ってはいけない」なんてセリフをよく聞いたものですが、現代ではもう家柄を気にするような時代ではありません。しかし学歴や年収などのスペックを気にする人はまだ存在します。今回はそんなスペックで付き合う人を選ぶ姑のいる筆者の知人、Fさんから聞いたお話です。

交友関係を選ぶ姑

当時Fさんは同じ会社に勤めている男性と、社内恋愛の末に結婚したばかりでした。

「Fさんはどこの大学を出てらっしゃるの? 」
旦那さんのお母さん、つまりお姑さんと初対面でいきなり聞かれたのがその質問でした。

「ごめんね、うちの母さんは人のスペックばっかり気にするんだよ」
旦那さんはそう言って、困った顔をしていました。

旦那さんに聞いたところによると、お姑さんは今まで旦那さんが付き合っている女性を連れてくるたびに、女性の学歴や勤めている会社などを真っ先に聞くというのです。

「母さんが知らない大学や会社だったら、交際を反対されてたんだ」
旦那さんはうんざりした表情。幸いFさんは高学歴だったため、お姑さんのお眼鏡にかなったというわけでした。

選びすぎた結果……

お姑さんは自分の交友関係も同じく、ご近所の奥さんに対してもまず旦那さんの会社や学歴を聞いてから、スペックの高い人としか付き合わないというのです。

「あの人は旦那さんが三流企業だからねえ……」
「あの人は中学しか出てないから、話したくもないよ」
いつもそんな調子で、ご近所さんがお茶や食事の誘いに訪ねて来てもそっけなく対応することがよくありました。

それからすぐに旦那さんが転勤になり、Fさん一家は実家から遠く離れたところに引っ越すことに。

飛行機の距離なのでなかなか帰省することができず、久しぶりに旦那さんの実家に帰ったFさんはびっくり。
「なんかお姑さん、元気なくない?」
以前ははつらつとしていたお姑さんの表情も声も、まったく元気がなくなっていたのです。