A子の娘があるコトを告白
ある日、娘の友達が何人か遊びに来て、その中にA子の娘もいました。子どもたちは楽しそうにお人形遊びをしていたんですが、急にA子の娘がぐずりだしたんです。
「いいなぁ、かわいいおもちゃたくさんあって……。服もきれいだし、いい匂いがする」
と、A子さんの娘さんがポツリとつぶやき、次第に目には涙が溢れてきました。
どういうこと? とA子の娘の話を聞いてみると、自分で服を選んだことがない、着たい服は買ってもらったことがないと泣きながら言うのです。その幼いながらの悲痛な訴えに、私たちはただただ言葉を失いました。
するとA子が「リサイクル店やフリマサイトにないものはダメって言ったでしょ!」「多少ボロボロでもブランド服の方が絶対価値あるから!」と言う始末。幼稚園になると、これが着たい!という自我も芽生えてくる時期でしょう。それなのに、ブランドへのこだわりを娘にも押し付け、娘の希望を完全無視するようなA子の発言に、一緒にいた他ママも絶句していました。
その後、A子がママ友たちから「もう付き合いきれない」と距離を置かれたのは、言うまでもありません。
まとめ
高価なブランド物だけでなく、自分の服やサイズアウトの早い子ども服も、リサイクル店などを上手に活用してお得に手に入れるのは良いことだと思います。ブランド品に魅力を感じることは個人の自由であり、素敵なことです。ですが、その価値観を他人に押し付けたり、ブランドかそうでないかで人を見下したりするような真似はいけませんよね。A子さんが、周囲だけでなく、愛する娘さんの思いにも心から向き合ってくれることを願うばかりです。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Kato Rira