消化器系の病気で入院すると、数日間の絶食を言い渡されることがあります。そんな時に美味しそうな食べ物を見せられるとかなりつらいですよね。今回は絶食中に親しい友人からそんなつらい目に遭わされた経験のある私の知人、Aさんから聞いたお話です。

胃を壊して入院

Aさんは胃を壊したため、数週間入院をすることになりました。
「大変だったね、早く良くなりますように」
医師からしばらく絶食を言い渡されたため、彼氏や友人たちは漫画や雑誌など、食べものではないものを沢山差し入れてくれました。

「Aちゃん、はいこれ買ってきたから元気出して! Aちゃんの好きなスイーツだよ!」
「あ、私絶食なの……」
どういうわけか、ある友人だけがケーキやクッキー、お饅頭など今のAさんには食べられないものを沢山持ってお見舞いにやってきたのです。
「そうだっけ? ああ、そういえばそんな話聞いたかも」
他の友人から聞いているはずなのに、と思いながらも、Aさんはとりあえずお見舞いに来てくれたことを嬉しく思っていました。
「もったいないからここで食べるね!」
「え!?」
絶食で腹ペコ状態のAさんの前で、友人は美味しそうなケーキを取り出してパクパク食べ始めます。
「つ、つらい……」
Aさんは思わずヨダレが出そうになるのを必死でこらえました。 

毎日のように来る友人

「Aちゃん! 今日もまだ絶食? じゃあこれ食べられないね 」
なんとその友人は翌日もやってきて、Aさんの目の前で某ハンバーガーショップのセットを食べ始めます。

食欲をそそる匂いがするのに食べられないという苦しみを味わいながら、Aさんはなぜこの友人はそんなことをするのか理解できませんでした。

その翌日、やっと流動食を食べられるようになったAさんですが、友人はまたやってきて今度は焼肉弁当を食べ始めます。
「もう限界!」
Aさんは友人が帰ったあと、食べ物の匂いがぷんぷん漂う病室から他の友人に連絡をしました。

「〇〇ちゃんが、毎日食べられない物を持ってきて困ってる……私、あの子になんかしたかな?」