孫は可愛い……でも嫁はいじめる義父
私の友人U美は、旦那と娘2人と暮らすパート主婦です。
これは娘2人が、小学校低学年だった時に起こったお話です。
私たち家族は、車で15分くらいの距離にある義実家に、月1回の頻度で遊びに行っていました。
義母は穏やかで優しい人でしたが、問題は義父。
嫁である私のことが気に入らないようで、「跡取り男児を産まないダメ嫁」と言ってきたり、私の作った料理を「マズイ」と捨てたりするので、正直顔も見たくないほど嫌いでした。
しかし、そんな義父も孫は可愛いようで、娘たちの前では、まるで別の人格があるかのようにデレデレしていました。
義父の本性を知らない娘たちが、「じぃじはいつもお小遣いくれるから好き」と言っていることもあって、なかなか疎遠にすることができず……。
何より、「じぃじがママをいじめている」姿を、娘たちに見られたくないとの思いから、必死に我慢していました。
義父の本性を知った娘たちは……
ある日、義父から「洗面台が濡れていた」という理由で正座をさせられ、濡れた布巾を投げつけられたところを、娘2人に見られてしまいました。
さすがの義父もあわてて、「ちょっとふざけてただけだからね!」などど苦しい言い訳をしています。
娘たちはショックを受けていましたが、無言のまま2人で走って逃げて行きました。
(子どもたちの心のトラウマにならなければいいけど……)と心配していた私でしたが、その後の娘たちの様子はいつもと変わらず。
私も次の日には、その出来事をすっかり忘れていました。
そしてその数日後に、娘たちが「もうすぐ節分だから、じぃじたちと豆まきをしたい!」と言ってきたのです。
正直、全く気乗りしませんでしたが、娘たちにどうしてもとせがまれ、節分の日の夜に義実家へ訪問することに。
義実家に到着するなり、上の娘が義父に「じぃじ鬼やって〜」と鬼のお面を手渡しました。
デレデレしながらお面をかぶる義父。
すると、娘たちが義父に向かって思いっきり豆を投げながら「ママをいじめる鬼は出ていけ!」と大声で叫び始めたのです。
私と義母の制止を振り切って豆を投げ続ける娘たち。
義父はオロオロしながら、鬼のお面をかぶったまま家の奥へ逃げていきました。