至って穏やかで優しい私の友人である裕子(仮名)は、人と違う不思議な力を持っていることが悩み。
その力のせいで説明のつかない奇妙な体験をすることが多い裕子は、私に色々な体験談を話してくれます。
今回は、そんな裕子が自宅マンションで体験した、身の毛もよだつ話です。
その力のせいで説明のつかない奇妙な体験をすることが多い裕子は、私に色々な体験談を話してくれます。
今回は、そんな裕子が自宅マンションで体験した、身の毛もよだつ話です。
いつもと変わらない楽しい時間
裕子は、夫と娘の3人暮らし。
裕子の夫は仕事で帰りがいつも遅いので、同じ境遇の私たちは、よくお互いの家を行き来しては一緒に夕飯を食べたり遊んだりする仲です。
その日も子供たちを遊ばせながら、私たちはお喋りを楽しみ、私と娘は21時ごろ裕子宅を後にしました。
寒い夜、気配
その日もいつも通り、裕子は帰りの遅い夫を待たず、娘と先に布団に入りました。
何時ごろかは分からないと裕子は言います。
夜中、裕子は寒さで目を覚ましました。娘の向こう側に夫が寝ているのが見え、娘に布団を掛け直して、エアコンをつけました。
するとその時、窓の方に何かの気配が……。
声も出せない! 恐怖の光景
気配のする窓の方を見ると、寝室の窓に人型の黒い影がぼうっと浮かんでいたのです。
しかし、ここはマンションの2階……。裕子はそのあり得ない光景に瞬きを繰り返すも、やはり人影は浮かんだまま。
驚きと恐怖で全身がガクガク震えたと言います。
両手(のようなもの)を顔の左右に広げ、部屋の中を物色するようにのぞく黒い影。
裕子は自分と家族の身の危険を感じ、心の中で叫びました。
「あっちへ行け!」
黒い影はそれでもこちらをジッと伺い、裕子は必死で「来るな」と抵抗し続けます。
どのくらいの攻防だったか、裕子にはとても長い時間に感じられました。
一瞬、強い耳鳴りがして黒い影はスッと消え、何事もなかったかのようにいつもの寝室の風景に戻りました。