ウエスタンやボヘミアンなど、気取りや気負いを遠ざけた装いが支持を広げています。パリ・コレで発表された、フランス発のブランド「ISABEL MARANT(イザベル マラン)」の2025年春夏コレクションでは、このようなムードがいっぱい。パリジェンヌ風のしなやかな自然体ムードで着こなすのが今のトレンドです。

ウエスタンブーツで足元スパイシー

画像: KATE BOSWORTH / DIANE KRUGER 出典:イザベル マラン

KATE BOSWORTH / DIANE KRUGER

出典:イザベル マラン

ウエスタンブーツが勢いを盛り返してきました。1970~80年代のレトロムードが再評価される中で、象徴的なアイテムとして脚光を浴びています。ワイルド感やタフさを印象付けやすいのが支持される理由。コーディネートに「強め」のアクセントを加えることができます。

共に俳優のケイト・ボスワース(左)とダイアン・クルーガー(右)はそろってウエスタンブーツを履いて、ファッションショー会場に姿を現しました。フェミニンな装いに、あえてブーツを引き合わせる甘辛コーディネート技です。優美なムードの新タイプブーツはデイリーからイベントシーンまで幅広く活躍。スパイシーな足元が凜々しさを引き立てています。

フリンジとサンドベージュで自然体ムード

画像1: ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション 出典:イザベル マラン

ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション

出典:イザベル マラン

2025年に勢いづきそうなおしゃれディテールが房飾りの「フリンジ」です。細い帯状のフリンジをどっさりあしらうのが今年流。土や砂に通じる色の「サンドベージュ」はナチュラル感が高く、フリンジともなじみます。

ほとんどフリンジオンリーで仕立てられたようなウェアは躍動感にあふれています。全体をサンドベージュで統一して、自然体のムードに。ウエスタンブーツは履き口を深く折り返してゆるりと気負わない雰囲気に。ナチュラルで軽やかなボヘミアンテイストが自由なおしゃれマインドに誘います。

手仕事技にボーホー気分とアクティブ感

画像2: ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション 出典:イザベル マラン

ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション

出典:イザベル マラン

エスニックテイストの装いはボヘミアン(ボーホー)気分を印象付けます。居場所を定めない「ノマド(遊牧民)」のムードもボーホールックの持ち味。カフタンに代表される、ゆるやかな着心地は気持ちをほどいてくれます。

ビーズや刺繍が施された、手仕事感の高いカフタン風シャツがエキゾチックなたたずまい。エスニック調のネックレスも効いています。パンツはウエスタン風で、裾をブーツインしてすっきりと演出。ボーホー×ウエスタンの相乗効果を生み出した、アクティブな仕上がりです。

ピンクを大人かわいくタフに昇華

画像3: ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション 出典:イザベル マラン

ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション

出典:イザベル マラン

甘くないガーリーテイストが盛り上がってきました。エスニックやボーホーとの掛け合わせは、大人テイストに。代名詞的なピンクもくすみトーンなら、柔らかさと親しみやすさを兼ね備えてくれます。

ピンク系のカフタン風シャツワンピースには、ビーズや刺繍を施され、手仕事感が漂います。スタッズ付きのフリンジバッグでアクセントを加えコーディネートに遊び心をプラス。足元はグラディエーターサンダルで凜としたムードを添えました。ピンクを大人っぽく着こなすテクニックです。

ジャンプスーツをエレガント使い

画像1: ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション  出典:イザベル マラン

ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション

出典:イザベル マラン

性別にとらわれないジェンダーレスは今や当たり前の装いとなりつつあります。もともとミリタリー由来のジャンプスーツは強さを示しやすいアイテム。上下がつながっているので、コーデに悩まないで済む点でも重宝なウェアです。

淡いスモーキーピンクのジャンプスーツは程よくウエストコンシャスで「大人フェミニン」なムード。パープルピンクのスエードバッグとブーツでリッチ感を添えています。小物を濃い色にすることで引き締め効果も発揮。レースアップされた紐を垂らして、都会的なボヘミアン風味に整えました。

パリ流のノンシャラン 古着系とも好相性

画像2: ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション  出典:イザベル マラン

ISABEL MARANT 2025年春夏コレクション

出典:イザベル マラン

「イザベル マラン」はデザイナー本人が得意な、気負わない自然体のスタイリングが支持を集めるブランドです。パリ流のノンシャランとした雰囲気に定評があります。ボヘミアンテイストやヴィンテージ感が漂うのも、このブランドならでは。型にはまらないエフォートレス(伸びやかさ)も持ち味です。

2025年春夏コレクションはアマゾンに着想を得て、トロピカル要素と強さ、優美さを兼ね備えた装いを提案しました。随所に職人技を注ぎこんで、特別感を高めています。フリンジや刺繍、スタッズなどのディテールが動きを加えました。

東京・南青山に旗艦店「ISABEL MARANT AOYAMA STORE」(通称「YELLOW HOUSE」)を2023年7月にオープンしました。名前通りの外観をはじめ、アート感度の高い内外装を味わいながら、充実した品ぞろえのショッピングが楽しめる空間。ウェアや小物などを含めたトータルで見ると、さらにブランドのテイストを深く感じ取れます。

ウエスタンやボヘミアンのテイストは、ワンアイテムを取り入れるだけで、こなれた着映えに仕上がるので、試す価値があります。古着系との相性がよいのも、これらのトレンドに支持が広がる理由。自分好みのアレンジを試しやすいから、「イザベル マラン」をお手本にスタイリングの幅を広げてみませんか。

ファッションジャーナリスト 宮田理江

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