グローバルライフスタイルブランド「UGG® (アグ)」は世界の4大ファッションウィークでデザイナーとのコラボレーションアイテムを発表しました。4大コレクションすべてへの参加と9ブランドとのコラボは異例の規模。今回はこの一連のコラボから、おしゃれな履きこなしとスタイリングをキャッチしていきましょう。

4大コレクションとは?

最初にファッションの世界でよく聞く「4大コレ」とは何かとおさらいしておきます。4大コレはニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリの4都市で開催される、半年先のシーズンに向けたファッションショーの集合体を指す言葉です。何十ものブランドが参加して、新作を披露します。本来はそれぞれの新作群を「コレクション」と呼び、1週間程度にわたる各都市ごとのイベントは「ファッションウィーク」と呼びますが、日本では慣例的に「ミラノコレクション」とか「パリコレクション」と呼んでいます(日本だけの呼称です)。ほかの都市でもファッションウィークは開催されますが、世界的トレンドを方向づける発信力が圧倒的なので、4大コレは別格の扱いです。

画像: Shuting Qiu_2024年春夏コレクション UGG®

Shuting Qiu_2024年春夏コレクション

UGG®

9~10月に発表されたのは、2024年春夏シーズン向けのコレクションです。UGG®は各デザイナーたちとのコラボを通して、新たな魅力を掘り起こしました。一般的にファッションブランドには当然、自前のデザイナーが存在しているのに、どうして外部デザイナーとのコラボを試みるかの理由をご存じでしょうか。異なる発想や手法を持つ外部デザイナーは、それまでとは別の形でコラボ相手のブランドからいいところを引き出してくれるからです。

「ケミストリー(化学反応)」という言葉があるように、別の才能との交わりから、それまでは見えにくかった魅力が生まれることもあり、もともと評価の高いロングセラーのブランドほど、鮮度アップの効果が見込めます。そういう意味からすれば、9組のデザイナーと組んだ今回のUGG®の試みは9通り以上の新発見が期待できるプロジェクトと言えそうです。それでは具体的に各コラボアイテムを見ていきましょう。

ニューヨークコレクション Collina Strada(コリーナ・ストラーダ)

画像: Collina Strada 2024年春夏コレクション UGG®

Collina Strada 2024年春夏コレクション

UGG®

最初はNYからです。4大コレは基本的にNY、ロンドン、ミラノ、パリの順番に開催されるので、今回もその順番で取り上げていきます。NYコレに参加している地元ブランド「Collina Strada(コリーナ・ストラーダ)」はサステナビリティに意欲的なブランドです。ヒッピーカルチャーを連想させるサイケデリックな色使いも特徴になっています。

夏のサンダルスタイルを色やモチーフで大胆に彩りました。フラミンゴ、犬、モンスターがデザインされたクロッグサンダルが登場。チュールが施されたカラフルな厚底サンダルは従来のサンダルのイメージを書き換えます。スパイク付きの「メリージェーン」も用意されました。サンダルの色に合わせて、服のほうもぼかしトーンのマルチカラー配色に。弾むようなポジティブ感を全身で印象付けています。

ロンドンコレクション Ashley Williams(アシュリー ウィリアムズ)

画像: Ashley Williams 2024年春夏コレクション UGG®

Ashley Williams 2024年春夏コレクション

UGG®

続いてロンドンです。ロンドンは割と若手・新鋭が多くて、アグレッシブな雰囲気があります。UGG®とコラボした「Ashley Williams(アシュリー ウィリアムズ)」はキャリア10年の中堅。グラフィカルな色・柄に強みを持っています。英国伝統の服飾文化や職人技のクラフトマンシップを新しい感覚に昇華するのもロンドンらしいアプローチです。

正面にいくつもの石を並べたブーツはウィットフルでありつつ、ナチュラル感も帯びたたたずまい。ユニフォームのようなトップスにもコラージュ写真風にモチーフを並べて、全身でアートをまとう装いに仕上げました。「I love ME」の文字がプリントされた、鮮やかなピンクの飾り付きも披露。ブーツにメッセージを込めました。

ミラノコレクション Cormio (コルミオ)

画像: Cormio 2024年春夏コレクション UGG®

Cormio 2024年春夏コレクション

UGG®

次はミラノへ行きましょう。ミラノの傾向は妖艶でムーディ。素肌見せを織り込んだ官能的な表現も得意です。コラボ相手になったブランド「CORMIO(コルミオ)」はデザイナーのJezabelle Cormio(ジェザベル・コルミオ)氏が2019年にミラノから立ち上げた、まだ若いブランドです。

目を引くのは、ブーツに添えたカスタムチャームです。ブーツにアクセサリーを上乗せするアレンジはいろいろと試せそう。手持ちのUGG®に表情を加えやすいカスタマイズです。ウエアにもシューレース風のディテールや、コルセットライクなパーツを投入。ストリートテイストにめりはりを加えています。

パリコレクション AVELLANO(アヴェラーノ)

画像: AVELLANO 2024年春夏コレクション UGG®

AVELLANO 2024年春夏コレクション

UGG®

最後を締めくくるのは、やはりパリです。4大コレの中でも、パリは格上の存在。世界のトレンドを方向づけています。デザイナーのアルトゥール・アヴェラーノ(Arthur Avellano)氏が率いる「AVELLANO(アヴェラーノ)はつやめいたレザー系素材のラテックス使いが巧みです。

UGG®ブーツをラテックスで包み、きらめくスワロフスキーのクリスタルをちりばめました。見慣れたマットな質感とは異なる、リッチな風合いがアイキャッチー。服のほうもダークトーンのローブ風ガウンでのどかな風情に。控えめなきらめきを帯びて、エレガントに演出されたUGGの取り入れ方は参考になります。

環境配慮型ブランドとして有名 麻布台ヒルズにオープン

画像: アグ 麻布台ヒルズ UGG®

アグ 麻布台ヒルズ

UGG®

東京・港区で開業した「麻布台ヒルズ」は2023年最大級の話題を集める都心再開発で、「緑に包まれ、人と人をつなぐ「広場」のような街~Modern Urban Village~」がコンセプトです。ブランドショップが集まるこの地に「UGG® Azabudai Hills(アグ 麻布台ヒルズ)」がオープン。厚底ブーツやスリッポンなどのシューズをはじめ、アパレル、手袋、帽子、マフラーなどの小物類も取りそろえています。

UGG®は1978年、アメリカ・カリフォルニアの海岸でオーストラリアのサーファーによって設立されました。現在では幅広いアイテムを手掛けるライフスタイルブランドに成長しています。環境と社会に配慮したブランドとしても有名です。

軽くて心地よい履き心地に加え、シーンフリーで履きやすく、アレンジが多彩なのは、今回のルックで分かる通りです。丸みを帯びたほっこりシルエットは気持ちまでなごませてくれそう。春夏向けにはサンダルも用意されていて、バリエーションが豊富。「UGG®」のアイテムで足元にトレンドとリラックス感を迎え入れてみてくださいね。

ファッションジャーナリスト 宮田理江


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