90年代リバイバルが世界的ファッションテーマの今年。当時、ファッション界を席巻した名ブランドたちが、改めて脚光を浴びています。スペイン発のシューズブランド【CAMPER(カンペール)】もそんなひとつ。履きやすさの中に、遊び心やエッジの聞いたデザインを盛り込んだシューズブームを作り出し、日本では90年代にファッションピープルたちの間で大きく浸透したカンペール。当時の魅力をそのままに、進化した姿になって今年は人気ショップやスタイリスト、編集者たちももう一度、カンペールを推す人たちがいっぱいです。そんなカンペールに今日はフォーカス。
画像: CAMPER 2023-24年秋冬コレクション

CAMPER 2023-24年秋冬コレクション

遊び心にあふれたデザインで世界的に人気の靴ブランド「CAMPER(カンペール)」。1975年にスペインのマヨルカ島で生まれ、足元が弾むような、ポジティブでユニークなデザインが日本でもファンを増やしてきました。本記事では、改めて【CAMPER】名シューズの魅力を、履きこなしアイデアと一緒にご案内します。「カンペール」は地中海の豊かな自然にインスパイアされたデザインと、職人技を生かしたテクノロジーを兼ね備えたシューズです。履き心地に優れているのはもちろん、ファニーで陽気なデザインに多くのファンがいます。アーティストとのコラボレーションが多い、クリエイティブな「履くアート」。世界各国・地域で400店舗以上を展開しています。

左右が違うアシンメトリー靴 ユーモラスで知的な味わい

画像: TWINS THELMA

TWINS THELMA

「カンペール」のオンリーワン的なシリーズが「TWINS(ツインズ)」です。英語で「双子」という意味ですが、実際は逆で、左右で見た目の異なるペア。全く別物というわけではなく、配色やディテールを微妙にずらしてあるので、セットで履いても、極端なちぐはぐには見えず、むしろ適度なウィットやずれ感がおしゃれ。アシンメトリー(非対称)を手軽に足元から取り入れられるシリーズとしてコレクションするファンも少なくありません。

太めのチャンキーヒールでプラットフォーム(厚底)タイプの「THELMA (テルマ)」から「ツインズ」が登場します。ピンク、ブラウン、オフホワイトの色使いが大人チャーミング。左右の見え具合が異なるのに、しっくりなじむ抜群のバランス感。一見、目の錯覚を誘うようなアート風味は「カンペール」ならでは。左右バラバラの靴はうっかりミスの典型例とされますが、その「常識」を逆手に取ったカラーリングです。

画像: TWINS TAYLOR

TWINS TAYLOR

スマートなローファーの「TAYLOR(テイラー)」でも「ツインズ」の新作が用意されました。「テイラー」はヴィンテージ感を帯びた、現代的なヒールシューズです。一見、同じように見えますが、目を凝らして見ると、左右でアッパー部分のレザー配色がずらしてあります。まるで間違い探しみたいな知的なムードも備わりました。ブラウンとベージュの居場所を変えてあり、左右で並べると、軽やかなリズムが弾むようです。

アイキャッチーでサステナブル 丈夫な爪先が頼もしい

画像1: JUNCTION

JUNCTION

画像2: JUNCTION

JUNCTION

地球にやさしい、サステナブルなシューズが「JUNCTION(ジャンクション)」です。「つなげる」という意味の通り、循環型のシューズとして開発されました。最小限の原料とパーツから作られているので、廃棄する際には素材ごとに分別、リサイクルできる仕組み。アッパーとソールは接着剤を使わずに縫い合わせてあります。

見た目がアイキャッチーなのは、爪先を覆うラバーキャップのおかげ。アッパーやソールとは印象の異なる色をあえて選んでいるので、爪先にチアフルな意外感が備わっています。このラバーキャップは取り外しができるから、表情を変えたマルチな履きこなしが可能です。

ベーシックカラーのクラシカルなチロリアンスタイルと、アクセントカラーのラバーキャップという組み合わせが鮮やかなコントラストを生んでいます。メンズとウィメンズが用意されていますが、ユニセックス的に履きやすいデザインだから、チョイスは自在。今シーズンはメンズにモカシンブーツが加わりました。

ラバーキャップは視線を引き込む効果が大。足取りまで軽やかに映りそうです。しかも傷や汚れなどのトラブルが起こりやすい爪先を物理的にガードしてくれる機能も備えているので、靴が長持ち。好きな愛着シューズを長く履き続けるのも、サステナブルなおしゃれといえそうです。

愛らしいフォルムで朗らか気分に 人間工学で快適フィット感

画像1: KARST

KARST

画像2: KARST

KARST

「カンペール」のユニセックスライン「KARST(カースト)」から誕生したバレエシューズタイプはやさしげなムードを足元に呼び込んでくれます。メンズとウィメンズの両方にラインナップしているから、メンズの装いにも取り入れられます。

コッペパンのような愛らしいフォルムは、朗らかな雰囲気を印象づけてくれそう。見た目だけではなく、実際の履き心地も軽くて柔らかく、フィット感があります。丸みを帯びた形や、人間工学に基づいたラスト(靴型)を組み合わせています。

名前の由来は「カンペール」発祥の地であるマヨルカ島のトラムンタナ山脈に見られる、水に浸食された岩場の地形。日本では「カルスト台地」として有名です。語源の通り、大自然とクライミングの世界からインスピレーションを受けていて、石の曲線を模倣しています。

大地がモチーフだけに、サステナブルな目配りもしっかり。バイオベースの成分を30%含む、軽量なEVAアウトソール、リサイクルPET素材のライニングとシューレースを組み合わせ、廃棄物を最小限に抑えつつ、耐久性も実現しました。

履き口の周りに寄った細かいギャザーがナチュラルなあたたかみを漂わせます。フェミニンなスカート姿にマッチするのはもちろんですが、あえてデニムパンツ(ジーンズ)やショートパンツに引き合わせて、こなれ感を引き出すスタイリングもおすすめです。

トレンド感とアート性が融合 おしゃれの切り札アイテムに

画像: NIKI

NIKI

ブーツは日本でも通年シューズに昇格しました。サンダル系が増える時期だからこそ、「逆張り」のブーツがおしゃれ感を際立たせます。かかとをしっかり支えてもらえるチャンキーヒールの「NIKI(ニキ)」は街歩きをしたい日にもぴったりで、トレンドにもマッチ。シーズンレスで重宝する通年シューズはコストパフォーマンス面でも魅力です。

わずかに角ばったラウンドトゥが目印の「ニキ」はデイリー使いに向くシリーズです。ベルトで調整可能なクロッグシューズ、ファスナー付きショートブーツ、フィットシルエットのオーバーニーブーツという3モデルが用意されています。シリーズ名は日本でもファンの多い女性アーティスト、ニキ・ド・サンファール(Niki de Saint Phalle)に由来。名前にふさわしく、アート味とファニー感を宿したデザインです。レザーやリサイクルPET素材を使用した、目を引く単色タイプが足元を多彩に彩ります。カラーバリエーションが豊富なのも「ニキ」のよさ。

画像: BCN

BCN

ソールにボリュームを持たせるシューズの勢いが続いています。背が高く映るのに加え、足元のインパクト感がアップ。「BCN(ビーシーエヌ)」シリーズはオーバーサイズのボリュームソールが今の気分。「BCN」はバルセロナの略称です。

ブーツとソックスが一体化したようなタイプは、足にフィットしてシャープに見えるのが大きなメリット。しなやかなレッグラインを引き立てる効果大です。クッション性のあるフットベッドが快適な履き心地を支えています。ニットのロングソックスブーツは、まだ履いている人が少ないのも魅力。サイドゴアブーツやメリージェーンも揃います。

ノマド(遊牧民)の自由さを足元から 2023-24年秋冬コレクション

「カンペール」の2023-24年秋冬コレクションはノマド(遊牧民)の生活の自由さと柔軟性をイメージしています。ユーモラスでユニークなデザインが一段と進化。足元から元気をもらえそうです。履き心地が快適で、おしゃれが楽しくなるシューズは気持ちまで盛り上げてくれるから、「カンペール」の新作からお気に入りを探してみてはいかが。

(画像協力)カンペール

https://www.camper.com/ja_JP

ファッションジャーナリスト 宮田理江

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