筆者の知人の体験談をご紹介します。

「おじいちゃん、また買ってくれた!」
義父は、とにかく孫がかわいくて仕方がない人でした。息子が義実家に遊びに行くと、帰り際には必ずお小遣いを渡してくれます。誕生日やお正月ならまだ分かるのですが、特別な日ではなくても、「これで好きなものを買いな」「今日は頑張ったから」と、数千円から時には万単位のお金を渡すことも。欲しがっているおもちゃがあると知れば、「買ってあげる」とすぐに購入。最初のうちは、A子も「孫のことをかわいがってくれてありがたいな」と思っていました。
「おじいちゃんに言えば買ってもらえる」
ところが、息子が成長するにつれて、少し気になることが……。ある日、欲しいゲームを見つけた息子が、「これ、おじいちゃんに買ってもらおう」と言ったのです。「どうして?」と聞くと、「だって、おじいちゃんにお願いしたら買ってくれるもん」と息子。欲しいものがあれば我慢したり、お小遣いを貯めたりするのではなく、「おじいちゃんに頼めばいい」と考えるようになっていることに、A子は不安を感じました。
「私がしてもらえなかったから、孫にはしてあげたい」
そこで夫から義父に、「子どものためにも、少し控えてほしい」と伝えてもらいました。すると義父は、「自分が元気なうちに、孫にしてやりたいんだ」と答えたそうです。実は義父自身、子どもの頃に親から欲しいものを買ってもらえず、友達が持っているものを羨ましく思った経験があったとのこと。「自分がしてもらえなかったことを、孫にはしてあげたい」そう聞いて、A子は驚きました。単に孫を甘やかしているのではなく、自分の経験も重ねて、孫を喜ばせたいと思っていたのです。
体験者の声
義父の気持ちも大切にしたかったA子夫婦は、特別な日以外はその場でお金や物を渡すのではなく、「子どもの将来のために残してもらうのはどう?」と提案しました。義父も「それなら安心だ」と納得。息子にも、「おじいちゃんが頑張って貯めたお金だから、大切に使おう」と伝えることができました。最初は「孫に甘すぎる」と思っていたA子でしたが、義父には愛情だけでなく、義父自身の子どもの頃からの思いがあったのだと分かりました。
相手の気持ちを否定するのではなく、家族みんなが納得できる方法を探すことも大切ですね。
【体験者:40代・女性・パート、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


