
毎晩、義実家で夕食
夫の転勤をきっかけに、私たちは義実家の近くへ引っ越しました。
すると義父が、「せっかく近くに住むんだから、毎晩一緒に食べよう。母さんと陽子さんが交代で作ればお互い楽だろう」と言い出したのです。
私も最初は「にぎやかでいいか」と思っていました。
でも、仕事終わりに大人4人分の夕食を作るのは想像以上に大変で……。
それまでは夫と気楽な2人暮らしだったので、急に負担が増えてしまいました。
義母も、はっきりとは言いませんが、負担を感じている様子でした。
思い切って伝えてみると
仕事が忙しい日でも買い物をして義実家へ向かい、料理をする。
帰宅してから自分たちの家のこともあるので、私はだんだん余裕がなくなっていました。
ある日、私は思い切って義父に、「毎晩は無理です。自分たちの家で食べる日も作りたいです」と伝えました。
でも義父は、「家族なのに付き合いが悪い」と不満そう。
夫も「俺から父さんに話そうか」と言ってくれましたが、仕事の都合で帰宅が遅く、その場にいないことも多いので、なかなか頼れません。
すると、それまで静かに聞いていた義母が口を開いたのです。
「料理を作らない人には、文句を言う権利もないわよ」
義父は、まさか義母から反論されるとは思わなかったのでしょう。少しムッとした表情になりました。
義父が料理担当に?!
すると義父は意地になって、「そんなに大変なら俺が作る。子どももいないし、大人4人分なら簡単だろ」と言い出しました。
最初のうちは張り切っていた義父。
けれど、実際にやってみると様子が変わっていきました。
夫には甲殻類のアレルギーがあり、義母には苦手な食材があります。
それを踏まえて4人が食べられる献立を考え、買い物をして、調理するだけでも思った以上に大変だったようです。
さらに義父は、自分の歯が悪いため、私と義母が毎回、義父の分だけ野菜を柔らかく煮たり、肉を小さく切ったりしていたことにも気づき、「こんなところまでやってくれてたのか……」と唖然としていました。
実際にやってみて分かったこと
数日後、義父は私たちに、「毎日作るのがこんなに大変だとは思わなかった。今まで任せきりにして悪かった」と謝ってくれました。
そして、「これからは時々俺が作るから、そのときだけ食べに来てほしい」と言ってくれたのです。
それをきっかけに、私たちは毎晩の義実家通いをやめることに。
私もようやく、自分の家で自分のペースで料理ができるようになりました。
体験者の声
「料理を作ること」だけが料理ではありません。
献立を考えて、買い物をして、家族それぞれが食べられるように工夫するところまで全部が負担になります。
それを義父が分かってくれて、報われた思いでした。
【体験者:40代・女性・会社員、回答時期:2026年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


