
リハビリを拒絶する夫
脳梗塞で倒れ、一命を取り留めたものの足に麻痺が残ってしまった義父。退院後、少しでも元の生活に近づけるよう、理学療法士さんと相談してリハビリに通い始めました。しかし、夫はそれが気に入らない様子で「もう高齢なんだから無理させなくていい」「辛い思いをさせるのは可哀想だ。家で大人しく寝かせておくのが本当の優しさだろ」と猛反対してきたのです。
本当の優しさとは何か
夫は「本人のため」と言い張り、リハビリの送迎や付き添いも「辛い姿を見るのは耐えられない」と一切拒否していました。しかし、家の中で寝たきりになっていく義父の姿や、リハビリに行く際の見違えるような前向きな表情を見てきた私には、夫の考えが正解だとは思えませんでした。義父の本当の気持ちを夫にも知ってもらうため、私は半ば強引に夫をリハビリ施設の見学へ連れて行くことにしました。
汗を流して努力する義父の姿
渋々ついてきた夫と一緒にリハビリ室を覗くと、そこには理学療法士さんのサポートのもと、汗をびっしょりかきながら平行棒を握って必死に足を踏み出す義父の姿がありました。夫が驚いて言葉を失っていると、担当の方が「お父さん、毎日すごく頑張っていらっしゃいますよ。『孫と一緒に公園を散歩したいから、絶対に歩けるようになるんだ』とおっしゃって」と義父の想いを教えてくれました。
体験者の声
義父が自分の力で歩くことを諦めていないこと、そしてその目標が「孫との散歩」だったことを知った夫は、溢れ出る涙を拭おうともせずその場に立ち尽くしていました。自分が「可哀想」という身勝手な決めつけで、義父の前向きな生きがいを奪おうとしていたことに気づいたのです。それ以来、夫は休みのたびに自ら進んでリハビリの送迎を行い、義父の歩行練習を一番近くで応援するようになりました。
【体験者:40代・女性、パート 回答時期:2026年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


