
楽しみにしていた孫との時間
孫が生まれてからというもの、私は月に2回ほど、息子夫婦の家を訪ねていました。
孫が4歳になった今も、一緒に公園へ行ったり、絵本を読んだりする時間が何よりの楽しみです。
孫も『おばあちゃん、来てくれて嬉しい!』と、私の訪問を喜んでくれていたはずなのですが……。
いつものように息子夫婦の家を訪ねた、ある日のこと。
玄関先で孫が突然、私に向かって「おばあちゃん、もう来ないで……」と言ったのです。
まさか、嫌われた?
最初は冗談だと思い、「あらあら、急にどうしたの?」と笑いかけました。
ところが孫は、何度も「もう来ないで!」と繰り返すばかり。
隣にいた息子の妻・A子さんも、「お義母さん、すみません。どうしてこんなことを言うのか、私も分からなくて……」と困った様子。
今から思うと完全に被害妄想なのですが、その時の私の頭には、「もしかして、A子さんが孫に何か言ったのでは?」という考えまで浮かびました。
それほどショックだったのです。
大好きだった孫から拒絶されたようで、その日は悲しい気持ちのまま帰宅。
それ以来、自分から息子夫婦の家へ行くことをやめ、連絡も必要最低限にしていました。
本当の理由
ところが、それから数週間後。
A子さんから電話がかかってきました。
「お義母さん、やっと分かりました! あの子、お義母さんが来ると、帰るときに寂しくなるから『来ないで』って言ったみたいなんです」
詳しく聞くと、最近孫は私が帰ったあとに「寂しい」と泣くことが増えていたそうです。
A子さんや息子が「またすぐ来てくれるよ」と言ってなだめても、「帰っちゃうのが嫌なの」と寂しがっていたのだとか。
孫自身も電話口で「おばあちゃんが嫌いなんじゃないよ。帰っちゃうのが嫌だったの。あんなこと言ってごめんね……」と話してくれました。
次の約束を楽しみに
私は、孫の言葉を自分への拒絶だと思い込んでいたことを反省しました。
ましてや、A子さんまで疑ってしまうなんて……。
後日、孫に会った時、私は「じゃあ、これからは帰るときに次に会う日を決めようか」と提案しました。
すると、孫はパッと笑顔になり、「それなら寂しくないね!」と言ってくれたのです。
体験者の声
「嫌われたと思って距離を置くより、まず理由を聞けばよかった」と猛省した出来事です。
あれ以来、孫がどんな気持ちでいるのか、今まで以上に考えるようになりました。
【体験者:60代・女性・主婦、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


