
息子がエレベーターから飛び出した!
ある日、3歳になる息子を連れてデパートで買い物をしていたときのことです。
「次は上の階に行こうね」
エレベーターに乗り込み、ドアが閉まりかけたその瞬間――。
何かを見つけたのか、息子が「あ!」と声を上げたかと思うと、ぴょんと外へ飛び出してしまいました。
「え、ちょ、ちょっと!」
止める間もなく、無常に閉まるドア。
私だけを乗せたエレベーターは、ぐんぐんと上の階へ上がっていきました。
生きた心地がしない
「待って、待って!」
私は、すっかりパニックに陥ってしまいました。
急に一人にされた幼い息子は、びっくりして泣いていないだろうか。
悪い人に連れ去られでもしたら――。
そう思うと、とても生きた心地がしません。
「早く戻らなきゃ!」
混乱しながらも、すぐさま次の階でエレベーターを降り、階段を駆け下りて、息子が残された階へと向かいます。
心臓は、バクバクと早鐘のように鳴っていました。
救世主に感謝
やっとのことで戻ると——。
そこには、泣きもせずにニコニコと立っている息子の姿がありました。
見ると、見知らぬ女性の手をしっかりと握っているではありませんか。
女性は、私を見るとこう言ってくれました。
「あぁ、よかった。ここで待っていれば、必ずお母さんが戻ってくるからねと、お話ししていたんです。ちゃんと待てて、偉かったですよ」
温かい言葉を聞いた瞬間、今度は私のほうが、泣きそうになってしまいました。
「ありがとうございます……!」
体験者の声
突然一人になって、息子もさぞ心細かったことでしょう。
そんな息子に、優しく声をかけて落ち着かせてくれた女性の、とっさの優しさと判断力。
本当に、感謝してもしきれません。
それと同時に、子どもの行動は予測不能なのだと、改めて痛感しました。
以来外出のときは、息子の手を絶対に離さないよう、より一層気をつけています。
あのときの女性には、感謝の気持ちでいっぱいです。
見知らぬ人の優しさに救われた、忘れられない出来事でした。
【体験者:30代女性・専業主婦、回答時期:2026年8月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


