
待合室での微笑ましい(?)光景
私が勤務する小児科クリニックでの出来事です。その日は連休明けということもあり、待合室は朝から体調を崩したお子さんと保護者で大変混雑していました。長い待ち時間に退屈したのか、ある男の子がグズり始めてしまいました。すると、付き添っていたお母さんがカバンから大きな袋菓子を取り出し、「これ食べて待っていようね」と男の子に食べさせ始めたのです。
制止を聞き入れない保護者
クリニックでは、診察直前の飲食は喉の観察を妨げたり、アレルギー検査や嘔吐のリスクを高めたりするため控えていただくようお願いしています。私はすぐに「すみません、もうすぐお呼びしますので、診察が終わるまでお菓子はお控えいただけますか?」と優しくお声がけしました。しかし、お母さんは「お腹が空いて泣いてるんですから可哀想でしょ!」「ちょっと食べるくらいで大袈裟ね」と聞く耳を持ってくれませんでした。
診察室で起きたハプニング
それから間もなくして男の子の名前が呼ばれ、診察室へ。医師が「口を大きく開けてね」と喉の様子を見ようと舌圧子を入れた瞬間、口に残っていたお菓子が喉を刺激し、男の子は勢いよく嘔吐してしまいました。服も診察台も汚れてしまい、男の子はパニックになって大泣き。さらに口内に残った食べカスによって正しく状態を観察することができず、予定していたアレルギーの検査も中断せざるを得なくなってしまったのです。
親の配慮が裏目に
診察室の清掃と着替えのため、全体の診療スケジュールは大幅に遅延。医師から「診察直前の飲食がどれだけ危険か分かりますか? お子さんにも余計な負担をかけましたよ」と厳しく注意を受け、お母さんは顔を真っ赤にして肩を落としていました。
体験者の声
親としては子供を想っての行動だったのかもしれませんが、医療現場でのルールや指示にはしっかりと意味があるのだと、改めて痛感した出来事でした。
【体験者:30代・女性、会社員 回答時期:2026/05】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


