筆者の話です。父のお通夜で住職の話を聞いていると、なぜか亡くなった父ではなく、その場にいる伯父の名前が繰り返し聞こえてきて──。
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父を知る住職

「今、伯父の名前を言った?」
父のお通夜で住職の話を聞いていた私は、思わず耳を疑いました。
お寺は実家から歩いて5分ほどの場所にあり、住職は以前から父を知っています。
近所付き合いがあるだけでなく、父と地区の役員を一緒に務めたこともあり、お寺の行事に父が参加することもありました。
そのため私たち親族も、住職が父のことを知らないわけがないと思っていたのです。

まさかの名前

お通夜で住職が父について話してくれていた時のことです。
話を聞いていると、亡くなった父ではなく、その場に参列している伯父の名前が聞こえてきました。父と伯父の名前は特に似ていません。
「言い間違えただけかな」
最初はそう思い、そのまま聞いていました。
ところがしばらくすると、住職はもう一度、伯父の名前を口にしたのです。

「また間違えた?」
私だけではなく、周囲の親族も気づき始めました。
しかし、お通夜の最中です。
住職が話しているところに口を挟むこともできず、みんな黙って聞いていました。

伯父の一言

そしてとうとう3回目。
住職の口から、またしても亡くなった父ではなく伯父の名前が出ました。
すると、それまで黙って聞いていた伯父本人がたまらず口を開いたのです。
「わし、まだ生きとるで、殺さんとってな」
亡くなった父と3回も間違えられた本人から、まさかのツッコミが入りました。
悲しい気持ちで父を見送っていたお通夜で起きた、あまりにも予想外の出来事。
3回も繰り返された名前間違いに、私たち親族も驚きました。

筆者の見解

父のことを以前から知っている住職が、なぜ伯父の名前を3回も口にしたのか、その理由は今でも分かりません。
当時は「お通夜で故人の名前を間違えるなんて」と驚きました。
それ以来、住職がお話を始めると「今度は名前を間違えないだろうか」と、つい身構えてしまいます。
それでも年月がたった今では、従兄とも「あの時はびっくりしたね」と振り返る出来事になりました。

大切な人を見送る厳粛な場でも、思いがけないことが起こるものです。
当時は戸惑った名前間違いも、親族の間では父のお通夜を思い出すたびに、伯父の一言とともに話題になる、忘れられないエピソードの一つとなりました。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年8月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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