
「妊娠しました」と突然の報告
筆者の知人Aさんが事務職として働いていた職場で、20代の同僚Bさんから「実は妊娠しました」と報告がありました。
まだ妊娠初期だったため、Bさんは「体調が安定しない日があるかもしれません」と話していたそうです。
すると、周囲はすぐにBさんをサポート。重い荷物を持つ仕事や残業をできるだけ代わり、急な休みがあっても困らないよう、みんなで業務を調整していました。
Aさんも「大変な時期だろうな」と思い、Bさんが担当していた仕事を一部引き受けていました。
少しずつ「おかしいな」と感じ始めて
ところが、しばらくするとBさんの話に違和感を覚える人が出てきました。
「予定日はいつ頃なの?」と聞かれると答えが以前と違ったり、受診について話していた内容にも矛盾があったりしたのです。
しかし、些細な矛盾だったため、最初は誰もBさんを疑っていませんでした。
ですが、話を聞くたびに説明が食い違うため、ついに上司が本人に確認。するとBさんは、ついに「妊娠はしていません」と認めたのです。
「仕事を減らしてほしかった」
職場に衝撃が走ったのは、Bさんが噓をついた理由でした。
Bさんは仕事についていくのが大変になり、業務量を減らしてもらいたかったものの、正直に相談することができず、「妊娠した」と嘘をついてしまったのです。
Aさんたちは、Bさんの体を気遣って仕事を引き受けていました。そのため「自分たちの善意を利用された」と感じ、ショックを受けた人も少なくありませんでした。
その後、Bさんは自主退職。職場にはしばらく戸惑いが残りました。
一方で会社は、この出来事をきっかけに、業務量や人間関係について社員が相談しやすい仕組みを整えることにしました。
「仕事がつらい」「今の業務量では難しい」と言える環境があれば、Bさんも嘘をつかずに済んだのかもしれません。
体験者の声
もちろん、周囲の善意を利用したことは許されるものではありません。それでもこの一件はAさんにとって、信頼関係を守るためには、正直に相談できる環境も必要なのだと考えさせられる出来事だったそうです。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年6月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


