「お母さんの通帳、私が管理しているからね」
妹のその言葉を、筆者の知人はずっと信じていました。しかしある日──?
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妹に任せていたお金

数年前から、一人暮らしをしている高齢の母を支えるため、私は妹と協力して通院や買い物を手伝っていました。
もともと仲のいい姉妹で、お互いに支え合っていたのです。

そんなある日、妹から何気ない口調で「そうそう、お母さんの通帳、私が管理しているからね」と言われました。

必要な生活費を出してくれているのだと思い、私は妹のことを信頼して特に何も疑いませんでした。

ところがしばらくして母が「なんだか最近お金が足りないのよ。節約しないとねぇ……」とこぼすようになったのです。

母には父の遺産や年金があり、生活に困っているわけはありません。
それなのに、なぜ──?

見えない不安

やがて母は食費や光熱費まで切り詰めようとし始め、私も気になりました。

「通帳を管理している妹に聞けば分かるよね」と思い、使い道を尋ねましたが、妹は「病院とか、いろいろ必要だったから~」と曖昧に答えるばかり。

母自身も、毎月の収支を把握しておらず、私の不安は膨らんでいきました。

通帳に並んでいた不自然な出金

私は母と相談し、預金の入出金履歴を一緒に確認することに。

すると、不自然な出金が何度も見つかったのです。
母はカードを使わないはずなのに、見覚えのないカード利用も記録されていました。

その事実を知り、母も絶句。
すぐに妹を呼んで、説明を求めることになりました。

妹は最初、「母のために使った」「必要な物を買っただけ」と話していましたが、私が「明細を見せてくれる?」と言うと、言葉に詰まり始めました。

そして最後には、母名義のカードを自分のために使っていたことを認めたのです。
カードの明細には、美容室やアパレルショップ、エステの請求が並んでいました。

私も任せきりにしていたとはいえ、ショックでした。

新たなルール

話し合いの末、母の口座は、母の意思を尊重しつつ、三人で毎月一緒に明細を確認することにしました。

また、大きな金額を動かすときは、事前に家族に共有するルールも決めました。

お金の流れが明確になったことで、母自身も少し安心したようです。

「これは、お母さんの老後を支える大切なお金なんだよ。本当に必要なときにお金がなかったら、どうするの?」と真剣に説明すると、妹もようやく事の重大さが分かったのか、「本当にごめんなさい……」と真っ青になって頭を下げていました。

体験者の声

お金は『信頼して任せる』だけでなく、『一緒に見えるようにする』ことも大切だと感じました。

【体験者:40代、女性、会社員、回答時期:2026年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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