知人の体験談をご紹介します。

母に結婚を反対された
女手一つで私を育ててくれた母は結婚前から、夫のことをあまり良く思ってはいませんでした。
彼があいさつに来てくれたときには終始笑顔で対応していたので、まさかあとで酷評されるとは思っていなかった私。
彼の帰宅後、
「言葉がきつい」「自己中心的」
と評価し、
「絶対苦労するからやめなさい」
と結婚話どころか交際を続けることすら反対されたのです。
もちろん彼に夢中だった当時の私は強く反発しました。
「お母さんは厳しすぎる!」
「彼の良さを分かろうともしないでただ粗探ししたいだけでしょ」
そのまま母と喧嘩してギクシャクした関係のまま、半ば意地で彼と結婚したのです。
最初は、結婚前に思い描いていた通り、大好きな人と一緒にいられてとても幸せだったのですが……。
夫の豹変
それから数年後、夫のモラハラ気質が徐々に表面化していったのです。
家事についての文句や人格否定はもちろん、何か少しでも気に入らないことがあれば完全無視。
夫の変化に戸惑いつつも、『私さえ我慢すればまた元のやさしい彼に戻ってくれる』と信じ、必死に彼のご機嫌取りをして耐えていました。
限界を迎えたとき
それでも夫のモラハラ言動は悪化していく一方。
ついには0歳の息子にまで暴言を吐くようになり、私にも息子にも暴力を振るうようになったのです……。
これにはさすがに限界がきて、夫から逃げるように息子を連れて実家へ帰りました。
すると、結婚前の喧嘩以降ほとんど連絡もせず、実家に近寄らなくなっていた私を、母は何も責めることなく迎え入れてくれたのです。
「おかえり」
と一言だけ発し、私が事情を話すまでは尋ねることもせずに息子を可愛がってくれました。
母の経験
後から聞くと、母も若い頃、同じようなタイプの男性と付き合って苦労した経験があったとのこと。
「だから直感で本性がなんとなく分かったの」
「でもあなたがこんなに苦労するならもっと強く止めるべきだったわ」
そう力ないほほえみを浮かべて話してくれた母に、あの喧嘩以来初めて
「ごめんなさい」
と謝罪できた私。
その後夫とは離婚し、実家で母の協力のもと、息子を育てています。
体験者の声
親の意見がすべて正しいわけではありません。
でも、人生経験による直感は、ときに驚くほど当たることがあります。
今は、“親の反対=子どもを支配したいから”ではなく、”親の反対=子どもを想ってこその心配の証”だと捉えています。
【体験者:20代・女性会社員、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。


