
久しぶりの義実家への帰省
E子は30代の専業主婦で、3歳と1歳の娘を育てています。
夫の実家へは年に数回帰省していますが、義母とは昔から少し価値観が合いませんでした。「嫁なんだから気が利いて当たり前」という考えが強く、帰省するとE子だけが食事の準備や片付けを任されることがほとんど。
今回も夕食後まで休む暇なく動き回り、ようやく寝る時間になりました。
疲れた体にさらなる嫌がらせ
寝室へ案内されたE子は思わず驚きます。なぜなら、夫と子どもたちには新しい布団が用意されていたのに、自分だけ押し入れの奥から出したような古いせんべい布団だったからです。
「家の中を整理しちゃったら、ひとつ布団が足りなくなっちゃって。あなたは血の繋がった家族じゃないから我慢できるわよね。これを使って」と義母は悪びれる様子もなく笑って言いました。
夫はその場におらず、空気を悪くしたくなかったE子は何も言い返せませんでした。「一晩だけだから」と自分に言い聞かせ、その夜は眠りについたそうです。
まさかの救世主の一言で義母が赤面
翌朝、朝食の準備をしていると、3歳の長女が寝室からお気に入りのぬいぐるみを抱えてやってきました。そして義母に向かって「ばあば、ママは家族じゃないの?」と無邪気な笑顔で言ったのです。
義母は一瞬きょとんとしました。娘はさらに「昨日ね、ママだけ違うお布団って言ってたでしょ? ママはパパのおうちの家族じゃないの?」と続けて話しました。
食卓の空気が一気に静まり返りました。偶然その場にいた義父も夫も言葉を失います。義母は困りながらも笑ってごまかそうとしましたが、娘は純粋な表情のまま首をかしげています。
「私とママはずっと家族だよね? ばあばは違うの?」悪気がまったくないからこそ、その言葉は義母の胸に深く刺さったのでしょう。義母は顔を赤くしながら「そんなつもりじゃなかったのよ。ごめんなさいね」と小さく頭を下げました。
子どもは大人の姿をよく見ている
帰る支度をしていると、義母はE子に新しい客用布団を見せながら「今度からはこれを使ってね。変なことを言って悪かったわ」と声を掛けました。さらに、その後の帰省ではE子だけに家事を任せることもなくなり、「みんなでやりましょう」と義母自身が率先して動くように変わりました。
筆者の見解
子どもは、大人が思っている以上によく周囲を見ています。そして、損得や立場ではなく、「家族だから大切」という素直な気持ちで言葉を口にします。
義母が変わるきっかけになったのは、大人同士の言い争いではなく、3歳の娘のまっすぐな一言でした。家族だからこそ、お互いを思いやる姿勢を忘れてはいけないと感じさせられるエピソードでした。
【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年5月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Miwa.S
事務員としてのキャリアを積みながら、ライター活動をスタート。持ち前の聞き上手を活かし、職場の同僚や友人などから、嫁姑・ママ友トラブルなどのリアルなエピソードを多数収集し、その声を中心にコラムを執筆。 新たなスキルを身につけ、読者に共感と気づきを届けたいという思いで、日々精力的に情報を発信している。栄養士の資格を活かして、食に関する記事を執筆することも。

