友人の話です。一人っ子育ちの夫は、シェア料理も当たり前のように独り占めしてしまい……。
画像: 焼肉店で「早い者勝ちでしょ」子どもの分も残さない夫。義父「お前」義母「家族って」夫はハッ

「シェア料理は早い者勝ち」な夫

わが家の夫は、大皿で運ばれてきた料理を当たり前のように自分の皿へ大量に確保してしまう癖があり、「食卓に出てきた大皿=自分の好きなだけ食べていいもの」と勘違いしたまま大人になってしまったようでした。

結婚当初から、外食で運ばれてきたシェア料理を、当たり前のように自分の皿へどんどん取っていく夫の姿に、私は内心モヤモヤ。「みんなで食べる物だよ」と何度伝えても、「え、そう? 食べたい人が早く取ればいいじゃん」と悪気なく首をかしげるだけ。自分さえ我慢すれば済む話だと、ずっと飲み込んできました。

焼肉店での一件と、義父の静かな戒め

ある日、義両親と息子も交えて家族6人で焼肉店へ行きました。人気の希少部位が運ばれてきた瞬間、夫は誰よりも早く箸を伸ばして肉を焼き始め、半分近くを自分の皿にかっさらってしまいました。息子が「ぼくも食べたかったのに」と小さくつぶやいても、夫はまったく気づかず涼しい顔。私が「みんなの分は?」と小声で促しても、夫は悪びれもせず「いいじゃん別に、早い者勝ちでしょ」と言い放ちました。

次の瞬間、それまで黙って見ていた義父が、ダンッと箸をテーブルに叩きつけました。「……お前、自分の子どもの顔をよく見てみろ」いつもと違う義父の低い声に、夫はハッとして動きを止めます。

「分け合う大切さを教えずに育ててしまったのは、私たちの責任だ。だがな、自分の欲を優先して、我が子の寂しそうな顔に気づけない大人になってほしくはなかったよ」

続けて義母も「家族って美味しいものを分け合って『美味しいね』って笑い合うものなのよ。あなたがやっているのは、ただの独り占めよ」と言います。静かに自分たちの育て方を恥じる両親の言葉と悲しそうな表情は、夫の胸に深く突き刺さったようでした。

体験者の声

数日後、義母から「今まで注意できなくてごめんなさいね。一人っ子だからと甘やかして育ててしまった責任を感じていたの。あなたがずっと一人で我慢しているのを見ていて、今日こそは言わなきゃダメだと思って……」と打ち明けられ、胸のつかえはすっと取れました。
あの一喝以来、夫は外食のたびに率先して料理を取り分けるように変わりました。長年抱えてきたモヤモヤが、義父母の思いがけない一言で、ようやく晴れた出来事でした。

【体験者:40代・女性会社員、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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