筆者の友人A子の話です。会うたびにさりげなく比べてくるママ友の言葉に、A子はずっとモヤモヤを抱えていました。しかし後日明かされたある事情を知り……?
画像: 「まだパートなんだ」会う度格付けしてくるママ友。私の正社員が決まると、意外な展開に!

笑顔で放たれる言葉が、じわじわ

A子には、同じ小学校に子どもを通わせるママ友・B子がいました。
明るくておしゃべり好きで、一見気さくな人です。ただ、一緒にいるといつもどこかモヤモヤしてしまいます。

「〇〇ちゃんのお母さんって、まだパートなんだっけ? やっぱり時間に余裕があっていいよね」

「うちの子、受験塾に通い始めたんだけど、△△ちゃんはどうするの? まあ、人それぞれだよね」

「旦那さんって転勤族なんだっけ? 家も買えないし、大変だねえ。うちはもう建てちゃったけど」

どれも怒鳴るわけでも、直接責めるわけでもありません。
でも必ず最後に自分が上に立つ言い回しが加えられていました。
A子は笑顔でかわしながら、会うたびどっと疲れを感じる日が続きました。

資格取得を話した日

そんなある日、A子はずっと勉強していた資格試験に合格し、来月から正社員として働くことが決まりました。
PTAの帰り際にB子から近況を聞かれ、何気なく話すと、B子の表情がかすかに曇ります。

「えっ、正社員で? ……すごいね」

それだけ言うと、B子はいつものおしゃべりもなくその場を離れました。
それからというもの、A子に話しかけてくることはほとんどなくなります。
比べてくるわけでも、刺さる言葉を投げてくるわけでもない。ただ静かに、距離が生まれました。

体験者の声

数週間後、共通のママ友・C恵からそっと教えてもらいました。

「B子ちゃんのご主人の会社、業績が悪いみたいで。B子ちゃん自身も仕事を探してるんだけど、ブランクが長くてなかなか決まらないって、かなり焦ってるみたいだよ」

A子は思わず、しばらく黙ってしまいました。

パートかどうか、塾に通わせているかどうか、家を建てたかどうか——。
B子が気にしていたのは、A子のことではなく、自分自身のことだったのかもしれません。

将来への不安があるから、誰かと比べて安心しようとしていた。
そう思うと、ずっと胸に引っかかっていたものが、すうっと軽くなっていく気がしました。

A子はB子に連絡を取ることはしませんでした。
ただ次に顔を合わせたとき、以前よりも少しだけ穏やかな気持ちで挨拶できた気がする、と話していました。
人のことを格付けしたがる人には、たいていその人自身の事情がある。
A子がそう気づいた出来事でした。

【体験者:30代・女性・会社員、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:K.Matsubara
15年間、保育士として200組以上の親子と向き合ってきた経験を持つ専業主婦ライター。日々の連絡帳やお便りを通して培った、情景が浮かぶ文章を得意としている。
子育てや保育の現場で見てきたリアルな声、そして自身や友人知人の経験をもとに、同じように悩んだり感じたりする人々に寄り添う記事を執筆中。ママ友との関係や日々の暮らしに関するテーマも得意。読者に共感と小さなヒントを届けられるよう、心を込めて言葉を紡いでいる。

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