知人の体験談です。
誰かの「休み」には、周りが知らない事情があるかもしれません──。
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休むたびに嫌味を言う同僚

私の職場には、人の有給休暇にやたら厳しいA子という同僚がいます。

A子は、誰かが休暇を取るたびに、「いいご身分だね」「暇でうらやましい」と嫌味を言うのがいつものこと。

もちろんA子にも私たちと同じ日数の有給休暇が付与されており、取得を制限されているわけでもありません。

それでも「自分は働いているのに、誰かが休む」という状況そのものがA子は気に入らないようで、有給休暇の理由を聞き出そうとしたり、「仕事を休んで何をするの?」と詮索したりすることも珍しくありませんでした。

実は旅行ではなく……

その年の夏、私は5日間の有給休暇を申請していました。
前日になると案の定、A子から「5日間も休むなんて、どうせ海外旅行でしょ? 贅沢できていいよね」と言われました。

でも実は、旅行ではなかったのです。
それどころか、その有給休暇はA子が想像しているバカンスとは程遠いものでした。

当時は親の介護が少しずつ始まっていた頃。
将来に備えるため、介護関連の資格講習に毎日通う、過酷な日々だったのです。

職場にはまだ事情を話していなかったので、私はA子の嫌味を笑って受け流すことにしました。

休暇の本当の成果

朝から夕方まで講義を受け、帰宅後も課題や復習に追われた5日間。
旅行どころか、ゆっくり休む時間もほとんどない状態でした。
しかし、その甲斐あって無事に資格を取得できたのです。

一応会社にも報告すると、その後すぐ上司から呼ばれ、「仕事でも必要になってくる資格だから、今後の業務でぜひ活かしてほしい」と評価を受け、新しい仕事を任されることになりました。

その話をどこからか聞きつけたA子は、「えっ、旅行じゃなかったの?」と驚いた表情。
私が「講習だったよ」と答えると、急に気まずそうに黙り込んでしまいました。

それ以来、A子が以前のように人の休みに嫌味を言うことはほとんどなくなりました。

体験者の声

休暇の過ごし方は人それぞれで、その裏には周囲に話していない事情が隠れていることもあります。

もちろん、私は評価されるために資格を取ったわけではありません。
ただ、自分に見えている一面だけで相手を決めつけるのは、とても残念なことだと感じました。

【体験者:30代・女性会社員、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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