塾に激しいクレームを入れる母親。一方的な思い込みが、思わぬ形で覆されることになり……?
画像: 「先生、他の子をひいきしてるでしょ!」叫ぶ親に「見てください」塾長が提示した『1枚の紙』に絶句!

理不尽な面談

私は個別指導塾で講師をしています。

教育熱心な保護者が多く、助かる一方で、ときには対応に苦労する保護者がいるのも事実です。
中でも、小学5年生の男の子がいる母親・B子さんは、群を抜いていました。

ある時、B子さんから「面談をしてほしい」と強い口調で塾に連絡が入りました。

私は最近の授業記録や、B子さんの息子の成績の推移を分かりやすくまとめ、面談に備えていたのですが……。

聞く耳を持たない母親

ところが、席に着くなりB子さんから「うちの子の成績が上がらないのは先生が他の子をひいきをしているからでしょう!」と怒鳴られ、私は言葉を失いました。

「他の子ばかり熱心に教えて、うちの子をわざと無視していると聞いてるわよ!」

激昂するB子さんに、私は全員を公平に指導しようと努力していることを説明しましたが、まったく聞き入れてもらえません。

「本部にクレームを入れる」とまで言われ、悔しさと理不尽さで胸がいっぱいになりました。

塾長が示した1枚の用紙

そのとき、同席していた塾長が静かに1枚の書類を机に置きました。

それは、B子さんの息子が自習室のパソコンを故意に壊したことに対する修理費用の請求書でした。

さらに塾長は、防犯カメラの記録や指導記録を示しながら、
「息子さんは授業中に他の生徒への嫌がらせを繰り返し、講師に注意されると怒って備品を壊しました」
と淡々と説明したのです。

動かぬ証拠を前に、B子さんは打って変わって言葉を失い、顔を真っ赤にしてうつむいてしまいました。

向き合うべき相手

これまで、B子さんの息子には再三注意をし、なんとか真面目に授業を受けてもらえるよう、塾全体で努力してきました。

もちろん、塾長からB子さんへもその都度連絡を入れていましたが、「うちの子がそんなことをするわけがありません!」の一点張りだったそうです。

度重なるトラブルに、やむを得ずB子さんの息子には強制退塾が言い渡されました。
修理費についても正式な手続きが進められることになっています。

筆者の見解

子どもの話を信じるのは大切なことです。
しかし同時に、周囲の声にも耳を傾ける姿勢がなければ、本当に守るべきものを見失ってしまうのだと強く感じた出来事でした。

【体験者:40代・女性塾講師、回答時期:2026年6月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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