
アサガオの観察
娘が小学1年生だった頃、夏休みの宿題でアサガオの成長を記録していました。朝起きると真っ先にベランダへ向かうのが日課となっていたのです。
「今日は4つ咲いた!」
「つぼみが増えてる!」
花の数を数えたり、葉っぱの様子を眺めたりする姿を見ていると、本当に大切に育てていることが伝わってきました。
旅行から帰ると……
ところが、家族で一泊旅行に出かけた日のことです。
帰宅するなり、娘は「ただいまー!」と勢いよくベランダへ飛び出しましたが、そのまま動きが止まってしまったのです。
1日水をあげていなかったせいで、アサガオはぐったり。花はしぼみ、葉っぱもしおれていました。
「かわいそう……」
そうつぶやいて下を向く我が子を見て、慌ててジョウロいっぱいの水をあげました。
すると、翌朝から葉が持ち上がりアサガオは回復しはじめたのです。
「良かった!」
胸をなで下ろしたのは、娘だけではありません。私も思わず肩の力が抜けたほどでした。
ホッとした表情で彼女はさっそく、その様子を観察日記に書き込んでいました。
最後の言葉に『クスッ』
最後のページを見せてもらうと、そこにはこんな一文が──。
「元気がない日があっても、お水をあげたら、また元気になりました。人も同じだと思います」
私は思わず、
「誰の名言!?」
と笑ってしまいました。
実はその頃の私は、夏休みの予定や家事に追われ、さらに暑さにやられ、毎日のように「疲れた」が口ぐせになっていました。
そのたび、娘は真剣な表情で「ママ、お水飲んで! 元気になるよ!」と声をかけてくれるのです。
子どもらしい素直な言葉ですが、不思議と心にスッと入ってくる嬉しいエールでした。
筆者の見解
人も植物も、元気がない日があるのは当たり前。少し休んで、水分をとって、また元気になればいい。
夏休みの終わり、生き生きしたアサガオを見ながら、励まされていたのは娘ではなく私のほうだったのかもしれないと感じた出来事です。
【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年7月】
※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

