「こんなに必要なん?」と家族旅行の荷物を見て首をかしげたAの夫が、その日初めて知ることになった現実があり──。
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旅行準備

子どもが生まれてから初めて、夏に家族旅行へ出かけることになりました。
車での移動だったため、私は着替えやタオル、おやつ、ウエットティッシュなど「念のため」と思う物を次々と荷物に詰めていきます。
「こんなに必要なん?」
その様子を見ていた夫は、不思議そうな表情でそう言いました。
普段の外出は近所への買い物や義実家へ行く程度です。
夫は子どもを連れて長時間出かけた経験がほとんどなく、大きな荷物が必要だとは思っていなかったようでした。

想定外

現地に着くと、子どもたちは水場を見つけるなり大はしゃぎでした。
靴のまま飛び込み、あっという間に服までびしょ濡れです。
慌てる夫を横目に、私はバッグから着替えを取り出しました。
さらに上の子の着替えを手伝っていると、さっきまで近くにいた下の子の姿が見当たりません。
上の子を着替えさせていた数十秒の間に、下の子は遊具へ向かって走り出していました。

初めて

「パパ、追いかけて!」
私が声をかけると、ベンチでスマホを見ていた夫は慌てて立ち上がり、走っていきました。
戻ってきたと思えば、今度は「お腹空いた」。
続いて「手が汚れた」。
私はそのたびにバッグからおやつやウエットティッシュを取り出して対応していきます。

旅行に持ってきた荷物は、ほとんど出番がありました。
ホテルで子どもたちが寝静まると、夫は少し疲れた様子でぽつりとこう言ったのです。
「子ども連れて出かけるのって、こんなに大変なんやな」

わかったこと

普段の外出はスーパーや義実家が中心で、夫が長時間子どもたちと向き合う機会はあまりありませんでした。
着替えも、おやつも、ウエットティッシュも、その場になって初めて必要だった理由が夫にも分かったのだと思います。
私は少し疲れた夫の顔を見ながら「そうやろ?」と心の中でつぶやきました。

あの日以来、出かける前になると夫も「着替え入れた?」と確認してくれるようになりました。
初めての家族旅行は、夫が子どもとの外出の大変さを実感した一日になりました。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年7月】

※本記事は、執筆ライターが取材又は体験した実話です。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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